【ループ利尿薬】 ラシックスとダイアートとルプラックの違い

ラシックス ダイアート ルプラック
一般名 フロセミド アゾセミド トラセミド
開発 サノフィ ロシュ 田辺三菱/ロシュ
販売 サノフィ 三和化学 田辺三菱
利尿作用時間 6時間 12時間 8時間
等価量 40mg 60mg 4mg
注射剤の有無 × ×
抗アルドステロン作用 × ×
保険適用
心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫
高血圧 × ×
月経前緊張症 × ×

 

 

 

強力な利尿作用を有する3つのループ利尿薬。共通点と異なる点がある。

 

 


ループ利尿薬が作用するところ


 

ヘンレ係蹄上行脚のNa+/K+/2Cl-共輸送体を阻害し、Na+とK+のCl-の再吸収を抑制する。ついでにCa2+とMg2+の再吸収も抑制する。

 

 

 

 


ラシックス


ラシックスの特徴は正式に高血圧に対して保険適用があること。しかし利尿作用は強いが降圧力自体そんなに強くない。それでも敢えて使う場合は慢性腎不全に陥っている高血圧患者。

 

利尿剤は腎機能が低下している患者に無理に使うと逆効果になる場合があるがラシックスは逆に腎血流量を増加させる力を持っているし用量依存性、量を増やせば増やすほど効果が期待できる。GFRが20以下であっても使える。

 

ラシックスは他の二つの薬とは違い注射剤もある。 気を付けなければいけないのは経口のラシックスはBAが50%しかない。つまり注射の20mgを経口のラシックスで代替するのであれば 40mgが必要。

 

ラシックスは即効性があり30分位でトイレにいきたくなる。家にいる時はいいが学校や会社の日は困ることがある。もう少しマイルドな利尿作用が欲しいときは他の利尿剤を使う。

ラシックスはLaシックス(6)というワケで6時間の利尿作用がある。

 

 

 

 


ダイアート


 

そんなラシックスに対してダイアートはゆっくり確実に利尿作用を発揮する、1錠服用すると12時間効くので一日2回だと安定して24時間利尿作用が効いている。

 

ダイアートの利点は急激なレニンアンジオテンシン系の変化が少ないこと。血液中のカリウムが急激に減少するとレニンアンジオテンシン系が刺激される交感神経が刺激される。

交感神経が刺激されると心不全の予後は良くない。心臓の機能が低下しているのであればダイアートの方がいいかもしれない

 

 

 

 


ルプラック


 

ルプラックの利尿作用はラシックスと比べると10倍強力。力価的に

そしてルプラックはループ系利尿薬の弱点である低カリウム血症の発現率も少ない。ラシックスとアルダクトンを併用した場合の電解質変化にほぼ等しい。これは抗アルドステロン作用を持つからである。この作用によってラシックスと比較すると心不全の死亡率が低いというエビデンスもある。

 

ルプラックは食事の影響を受けないという特徴もある、生物学的利用率の8割以上とラシックスよりも明らかに吸収が良い。

 

 

 

 


ループ利尿薬とサイアザイド利尿薬との違い


 

降圧力自体はサイアザイド系利尿剤の方が強い。サイアザイド系とはフルイトランとかね、ループ利尿薬の作用部位はヘンレ系蹄上行脚でサイアザイド系利尿薬は遠位尿細管。Naはより上流で再吸収されるのでそこを阻害するループ薬の方が利尿作用が強い。

 

利尿作用はラシックスだとサイアザイド系の約3倍。しかし作用時間はサイアザイド系利尿剤の方が長く24時間効果が継続する。

 

ループ系利尿薬を使い続けるとヘンレ系蹄上行脚でのNa再吸収の代替として遠位尿細管で再吸収が増える場合があるがその遠位尿細管に作用するフルイトランを併用するとより効果が期待できる。

 

ちなみにラシックスには割線があるがフルイトラン錠の花形に割線は無い。あれはデザインである。メーカーが申請していないと割線と認められないそうだ。

表はともかく裏は割線にみえるが製薬会社的にはデザインだと。それにしてもなぜにこんな凝ったデザインにしているのか理由が知りたい。

 

 

 

 


ループ利尿薬はカリウム値に注意する


 

ループ利尿薬は強力な作用であるがゆえに気をつけて使う必要がある 特に気をつけなければいけないのは脱水と低カリウム血症

 

ループ利尿剤を使っていると血液中のカリウム値が低下してしまう。低カリウム血症の確定診断は採血をしなければわからない しかし副作用の自覚症状としては食欲不振や嘔吐 脱力感といったものがある。こうした症状が継続しているのであれば早い目に病院に行って医師に相談するべき。放置すると最悪不整脈になってしまう。

 

利尿剤には逆に血中カリウム濃度を上昇させるものもある。 スピロノラクトンとか。その特性を利用してラシックスとアルダクトンを併用した処方例が見られる。電解質のバランスをとっているわけ。しかしカリウム保持性のループ系利尿薬であるルプラックはその二つを併用した状態に近い作用を持つ。

 

 

 


3つのループ系利尿薬の共通点


 

それは構造。スルフェンアミド構造というものを三つとも持っている。

(ラシックスの構造式)

 

 

この構造は農薬や医薬品に沢山含まれている。痛み止めのセレコックスにも含まれている。

よってラシックスで薬疹がでた場合は交差反応的に考えてセレコックスでも薬疹が出る可能性がある。その逆も然り

 

ループ系利尿薬の副作用として尿酸値の上昇が見られるのは3つの薬共通。

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