【企業分析】 イルミナ：DNAシーケンサー業界のグーグル

デオキシリボ核酸という物質です。DNAはアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4つの塩基を含んいます。この4つの塩基の組み合わせの違いが人間の設計図となります。

なぜこの病気になるのか？という根本的な問いの答えとなります。新型コロナウイルスの様に病気を引き起こす外的要因だけで人間は病気になるわけではないです。元々遺伝子に原因があって病気になっている場合も多々あります。

これまで治療法が見つかっていない難病も遺伝子異常である場合があります。原因が分かれば治療の6割は終わったようなモノです。なので遺伝子の異常を解析することは治療で重要なステップです。

遺伝子検査は病気の予防にも効果的です。遺伝的に糖尿病になりやすい人や乳がんになり易い人などが分かります。その情報が分かっていれば毎年その病気になり易い分野を重点的に人間ドックで調べると早期発見に繋がります。

昔は一人の全ゲノムを調べるのに3000億円位のお金が掛かっていました。そう考えるとこの業界の技術革新とそれに伴うコストダウンの速さに驚きます。

検体当たりのコストはこれからも安くなり続けますが検体数の伸びが予想されているので自分は心配していません。

これまでのがん治療薬は癌も自分の細胞も両方叩くという大雑把な薬がメインでした。しかしこれからは遺伝子変異などを調べてその変異に効果がある薬を選ぶということが当たり前になります。

遺伝子検査は費用が高くて一部の薬にしか遺伝子検査は適応されませんでしたが1万円で全ゲノムを分析できるようになればコスト面でのハードルが低くなり一般的な医療に組み込まれるはずです。

でも実はイルミナの儲けは検査の機械本体ではないんです。

確かに本体は超高額ですが一回売ったらそれっきりです。なのでイルミナの収益は本体でなく検査時に使う消耗品です。

↑を見てもらうと分かりますが毎年新製品を出している本体の売上は横ばいです。しかし消耗品は成長を続けています。

だいたい合っています。消耗品ビジネスは派手さはないですが経営に安定をもたらします。これから検査数が増えると消耗品もたくさん使われるのでイルミナの売上も安泰というわけです。

上のグラフは3か月毎のイルミナ社の売上です。

新型コロナが世界的に流行したので遺伝子検査に限らず急を要さない手術なども延期されました。その影響を受けてイルミナに限らずISRGなど医療系ハイグロース株は暴落しました。

イルミナは平時であれば毎年20%の成長速度です。この20%という高成長な数字があるので株価売上高倍率（PSR）が10倍を超えていても投資家は株を購入しています。

ただスノーフレークの様なクレイジーな評価だとは思いません。

PSRが10倍を切ったら勇気を出して買うとその内助かりそうです。

現時点の時価総額は591億ドルなのでやや高めの水準かもしれません。