メイヨー・クリニックがコロナ変異株に対する2つのワクチンの有効性を比較した研究結果を発表しました。
織部
利休
名誉クリニック?そんな変な名前のクリニックが行った研究とか信用できるんかのう?
メイヨー・クリニックは米国でも高く評価されている総合病院です。先進的な治療や研究を行ったりしていているので関連施設を含めるとコロナ患者さんがたくさん来院しました。その貴重なデータを提供してもらえたわけです。
織部
利休
じゃあその有難いデータを拝見してみようかのう。
研究対象者は以下の条件を満たす人たちです。
織部
要件
- 18歳以上
- BNT162b2またはmRNA-12を20年12月1日~21年7月29日までに少なくとも1回受けた
- 初回接種前にSARS-CoV-2 PCR検査が陽性ではない
- 異なる種類のワクチンを接種していない
モデルナとファイザーの有効性 |
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- source by Mayo Clinic
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- 7月時点での有効性はモデルナ:ファイザー=76%:42%
7月半ば時点では変異株の過半数をデルタ型が占めています。なので7月のデータは主にデルタ型に対するワクチンの効果と言えます。
織部
利休
モデルナは76%とまぁまぁじゃがファーザーは42%と大きく効果が低下しておるのう。
この結果を受けてバイオンテック株は下落しました。
織部
利休
ワシの周りではモデルナワクチンの方が副作用が強い感じするんじゃがその分効果もあるという事かいな?
副作用の強さと効果の相関関係は証明されていませんが今回発表されたデータによるとデルタ変異株に対する有効性はモデルナの方がファイザーより統計的に有意に高いです。
織部
利休
じゃあファイザーのワクチンを打ってしもうたワシはもう人生終わりなんかのう?
安心してください。感染予防効果は低下していますが入院予防効果は高いレベルで有効です。
織部
入院予防効果 |
- 7月時点での入院予防効果はモデルナ:ファイザー=91%:85%
入院予防効果に関してはモデルナ:ファイザー=91%:85%と高い有効性がデルタ変異株に対して証明されています。
織部
利休
しかしグラフを見ると時間と共に両方のワクチンとも効果が落ちてきておるのう。
一回打てば一生モノのワクチンもありますがインフルエンザワクチンの様に毎年打つワクチンもあります。
織部
利休
それがコロナワクチンの場合じゃと半年に一回になるんかのう。あの強烈な副作用を毎年2回も味わうのかと思うと武者震いするのう。
コロナかワクチンのせいで日本語おかしくなってますよ?
織部
利休
それにしてもワクチン打てば世界が全てが元通りになると思って打ったのに期待外れじゃのう。打たん方が良かったんかも・・・
全くワクチンを打たなかった人との比較データもあります。
織部
ワクチン接種者と未接種者(ミネソタ州) |
未接種者と比較するとワクチンは有意にリスクを減らしています。
織部
利休
確かにそうじゃがやっぱりファイザーよりモデルナの方が優れているようにも見えるのう。今度はモデルナのワクチン打ちたいのう。
異なるワクチンを交差させるというのはまた新しい研究となるのでそのデータはとても興味深いです。師匠が進んで実験台になると?
織部
利休
欧州の情勢を見ているとブースターショットとして3回目を打つ流れになっておるから次があるならモデルナもありじゃのう。
ワクチンに限らず薬というものは臨床試験を行ってみないと解りません。いくら理論では~とか言っていてもその通りにいった試しはないです。
織部
利休
やはり医学の進歩にはドンドン人体実験じゃな。
ワクチン接種後時間が経つと抗体価が下がり感染はするものの、免疫記憶が素早く立ち上がってウイルスが増殖する(重症化する)前に叩けるということかもしれませんね。
自然感染では変異種にも対応でき、かつ抗体価の持続する広域中和抗体が産生されるということのようですが、実際にイスラエルの観察研究ではデルタ株に対し、既感染者の方がワクチン接種者よりも有意に再感染、発症、入院リスクが低いという結果が得られたようです(『Comparing SARS-CoV-2 natural immunity to vaccine-induced immunity: reinfections versus breakthrough infections』)。
後遺症リスクは未接種者と比較して約半分程度(OR 0.51)には抑えられるようですが(『Risk factors and disease profile of post-vaccination SARS-CoV-2 infection in UK users of the COVID Symptom Study app: a prospective, community-based, nested, case-control study』)、ある意味この後遺症リスクさえのめれば、ブレークスルー感染を起こすことで重症化を抑えつつ、広域中和抗体を獲得して割と早い時期に集団免疫を達成することは可能かもしれませんね。