ニキビ外用薬の違い(単剤)

 

商品名 アクアチム ダラシンT ゼビアックス ディフェリン ベピオ
一般名 ナジフロキサシン クリンダマイシンリン酸エステル オゼノキサシン アダパレン 過酸化ベンゾイル
開発会社 大塚製薬 ファイザー 富山化学工業 ガルデルマ マルホ
販売会社 大塚製薬 佐藤製薬 マルホ ガルデルマ マルホ
日本販売年 1993年 2002年 2016年 2008年 2015年
薬価(1g) 34.5円 35.6円 76.9円 95.2円 115.4円
用法 1日 1日 1日1回 1日1回 1日1回
薬理作用 DNAジャイレース阻害 リボゾーム50Sサブユニット阻害 DNAジャイレース阻害 レチノイン酸受容体を刺激し表皮角化分化抑制 活性酸素による化学的殺菌作用とピーリング作用(コルネオデスモソーム変性)
慎重投与 幼児以下 抗生物質由来大腸炎既往歴、アトピー性体質
使用期間 4週間 4週間 4週間 12週間 n/a

 

 

 

 

アクアチム

 

ポカリスエットやカロリーメイトを作っている大塚が開発した世界初の外用キノロン系抗菌薬。1993年にクリームが承認されその後にローション、2003年に軟膏が承認された。使い方はダラシンと同じ一日二回だがダラシンとは違い耐性菌が生じにくいというメリットがある。

 

 

 

ダラシンT

 

2002年に日本で承認されたがアメリカでは1980年にすでに承認済。リンダマイシンリン酸エステルはホスファターゼにより加水分解されてクリンダマイシンとして抗菌活性を発現するプロドラッグ。

 

耐性菌の検出率が最近上昇傾向。特徴的な副作用として偽膜性大腸炎の記載がある。ニキビ外用薬で全身性の副作用があるのはこのダラシンだけ

 

 

 

 

ゼビアックス

 

日本で2015年にローション剤が承認された。アクアチムと同じキノロン系だがこちらは1日一回で効果がある。ローション剤ではあるが粘性が高く液体というよりもゲルに近い

 

 

 

ディフェリン

 

2008年に日本でゲル化製剤が承認されたがその16年前の1992年に液剤がフランスで承認されている。細胞核内のレチノイン酸受容体に結合して レチノイド様作用を示し 表皮角化細胞の分化を抑制する。動物実験で催奇形性が示唆されているので妊婦には禁忌となっている

 

ディフェリンゲルを使うと8割程度の患者さんにピリピリ感や刺激感という局所的副作用が現れるが2週間程度使い続けると軽快するのでしばらくは我慢して使う。

 

 

 

 

ベピオ

 

過酸化ベンゾイルは抗菌作用とピーリング作用を併せ持つ。抗菌作用は化学的にフリーラジカルを発生させて細菌のDNAを障害することで殺菌作用を発揮する。その作用機序的に耐性菌は生じる可能性が少ない。過酸化ベンゾイルには漂白作用があるので髪や衣服には付けないこと。

 

保存方法は25°以下で凍結は避けること。高温環境だと過酸化ベンゾイルが安息香酸に分解されてしまう

 

 

ニキビ外用薬の違い(単剤)” への2件のフィードバック

  1. ニキビといえばクレアラシルという印象しかないですが、あれは医薬品というより大衆薬って感じなんですかね。

    ニキビ・皮膚関連の薬開発弱小バイオ企業といえば、DERMが今年頭ぐらいに大暴落してたのが記憶に新しいです。

    一気に一桁ドルいってから、今は微妙に戻しつつあるようですが、難病治療ではなくこういうちょっとした薬を開発する企業も、困っている人にとっては大変ありがたいでしょうから、頑張って欲しい限りですね。

  2. クレアラシルは昔ながらの硫黄成分が主薬の塗り薬ですね。医療用でも硫黄はありますが今は他により効果的な薬が沢山あるので使われなくなっています。

    でも新しめの薬でもニキビやニキビ跡を完璧に治せるものはまだ存在しないので開発余地はあります。

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