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【ドライアイ】 ヒアレインとジクアスとムコスタの違い

ヒアレイン ジクアス ムコスタ
一般名 ヒアルロン酸Na ジクアホソルNa レバミピド
構造式
薬価収載 1995年 2010年 2011年
製薬会社 参天製薬 参天製薬 大塚製薬
効能効果 角結膜上皮障害 ドライアイ ドライアイ
点眼回数 5~6回 6回 4回
作用点 フィブロネクチン P2Y2受容体 ゴブレット細胞
水分 保水 分泌 ×
ムチン ×
抗炎症作用 × ×
pH 6.0~7.0 7.2~7.8 5.5~6.5
浸透圧 0.9~1.1 1.0~1.1 0.9~1.1
ジェネリック × ×

 

 

発売された年の順番に

 

ヒアレイン

ジクアス

ムコスタ

 

ドライアイ治療は不足している水分を補えば良いという考え方からより眼の実質へ作用する点眼薬へと進化した。

(さらに…)

【乳がん】 イブランスとベージニオの違い 【CDK4/6】

イブランス ベージニオ
一般名 パルボシクリブ アベマシクリブ
日本発売年 2017年 2018年
開発会社 ファイザー イーライリリー
効能・効果 手術不能又は再発乳癌(ホルモン受容体陽性、HER2陰性の患者のみ)
用法・用量 1 日1回食後に125mgを3週間連続服用後に1週間休薬 1回150mgを1日2回
適宜増減
併用薬 内分泌療法剤と併用する
薬理作用 サイクリン依存性キナーゼ阻害(CDK4/6阻害)
代謝酵素
  • CYP3A
  • 硫酸転移酵素2A1
  • CYP3A
警告表示 間質性肺疾患
妊婦 禁忌 ベネフィット>リスクの場合は可
副作用発現率
対象試験 国際共同第Ⅲ相試験 国際共同第Ⅲ相試験
好中球減少 82.6% 44.0%
下痢 13.0% 86.4%

 

乳がんはいくつかのタイプが存在する。

 

・女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)

・HER2蛋白

 

女性ホルモンは乳がん細胞の増殖に関与しておりHER2蛋白は増殖の速さに関与している。

 

イブランスとベージニオは女性ホルモンによりがん細胞が大きくなっているがHER2という特殊なたんぱく質は出ていない人を対象とした薬である。

 

 

 


共通点

 

  • サイクリン依存性キナーゼ4/6を阻害することでがん細胞の増殖を抑制する。
  • 抗女性ホルモン剤との併用が必須
  • 警告に「間質性肺炎」
  • 代謝酵素は両者ともCYP3Aなので抗生物質クラリスや睡眠薬ベルソムラとの併用に注意が必要
  • 抗女性ホルモン剤単独よりも悪化するまでの期間が延長する。

 

 

イブランス

  • 1日1回服用
  • 「食後」と指定されている
  • 3週間服用したら1週間の休薬期間が必要
  • 白血球が減少しやすい
  • 妊娠中は禁忌
  • 2018年の売上高は41.1億ドル

 

 

ベージニオ

  • 1日2回服用
  • 「食前」「食後」の指定なし
  • 休薬期間は必須でない
  • 下痢が起こりやすい
  • 妊娠中でも医師の判断によっては服用する
  • 日本人では外国人と比較して肝機能障害と骨髄抑制の発現割合が高い傾向が認められる

 

 

 


作用機序


 

イブランスもベージニオもCDK4/6を阻害することで下流のRb蛋白リン酸化による不活化を防ぐ。

 

CDK4及び6がサイクリンDと結合して作られた複合体が腫瘍増殖抑制因子であるRb蛋白をリン酸化して不活化することでがん細胞に対する抑制能力が無くなりがん細胞の増殖が止まらなくなる。乳癌患者の 50%以上はサイクリンDが過剰に発現している。

 

Rb蛋白は網膜芽細胞腫タンパクという悪者っぽい名前をしているがコイツ自身はがん細胞が増えるサイクルを止める善玉。この善玉を邪魔するのがサイクリン複合体。

 

がん細胞増殖を抑制するRbを抑制するサイクリン複合体を抑制するのがイブランスやベージニオ

 

とてもややこしいが図だとわかりやすい。

 

 

併用するレトロゾールなどはCDK4/6阻害薬の前段階を邪魔することで乳がん細胞の増殖を阻止する。これまではレトロゾールが効かなければそれ以降の流れが止まらなくなり増悪化しても打つ手が無かった。そこに登場したのがイブランスとベージニオ。

 

女性ホルモン阻害薬と併用する方が明らかにメリットがあるので併用することと添付文書にも記載されている。

 

イブランスとベージニオ以外にもCDK4/6阻害薬にはノバルティスのリボシクリブが存在するが日本ではまだ承認されていない。

 

 

同じCDK4/6阻害薬というクラスの中でどの薬が一番効果が高いとかは分かっていない。2つを直接比較した臨床試験が無いのでまだどちらが優れているかは分からない。これから10年、20年と使っていけば色々分かってくる。

 

一般論として製薬会社がその薬に対して自信がある場合だと臨床試験の対象を偽薬でなくライバル薬に設定して比較する。ライバル薬に対して優越性を誇示できればその市場ではシェアを掻っ攫うことができる。それをしないという事は大きな差は無いと製薬会社自身が思っている。

 

2019年現時点での2つの使い分けは効果ではなく副作用。

 

 

 


副作用の違い


 

イブランスははCDK4とCDK6の両方を阻害する。

 

その内CDK6が白血球減少に関わっているとされているのでCDK6にも強く阻害作用を有するイブランスは好中球減少症が起こりやすいと推測される。ベージニオは比較的CDK4に対しての選択性が高くイブランスよりも白血球減少症が少ない。

 

ベージニオに特発する下痢だがなぜ起こるかという作用機序はまだ解明させていない。動物実験でサイクリン依存キナーゼを作れなくした実験動物で下痢は増えなかったのでメインのCDK4/6阻害とは違う薬理機序によって下痢が起こっている可能性がある。

 

ベージニオは下痢の重さによって休薬するか中止するかの指示が添付文書に記載されている。軽い下痢ならそのまま継続することも可能である。

 

 

【肝細胞がん】レンビマとネクサバールの違い 【腎細胞がん】

レンビマ ネクサバール
一般名 レンバチニブメシル酸塩 ソラフェニブトシル酸塩
日本発売年 2015年 2008年
開発 エーザイ バイエル
効能・効果 ①切除不能な肝細胞癌

②根治切除不能な甲状腺癌

①切除不能な肝細胞癌

②根治切除不能な甲状腺癌

③根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

用法・用量 ①1日1回12mg(体重60kg以上)

 1日1回8mg(体重60kg未満)

②1日1回24mg

1~3:1 回400mgを1日2回
高脂肪食 影響無し 食前1時間前から食後2時間は避ける
作用機序 チロシンキナーゼ阻害 チロシンキナーゼ阻害
代謝 CYP3A CYP3A4及びUGT1A9

 

肝細胞癌に対する初の分子標的薬ネクサバール。

 

それまで外科的治療法しかなく化学療法は気休めだったがネクサバールが登場したことにより初めてプラセボに対して有意に全生存期間を延長させることができた。

 

そしてネクサバール登場から7年後の2015年に登場したのが日本のエーザイが開発したレンビマ。

 

この2つはVEGFやPDGFといった癌細胞が栄養を得るために血管を作るのを邪魔したりRETという癌細胞内部の増殖酵素を邪魔して兵糧攻めにする。

 

レンビマの方がネクサバールよりもそれらの受容体に作用する力が強い。

 

 

 


レンビマとネクサバールの直接比較


REFRECT試験
試験デザイン 国際多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相非劣性試験
目的 レンバチニブの有効性、安全性をソラフェニブと比較検討
主要評価項目 全生存期間(OS)
副次評価項目 無増悪生存期間(PFS)他
対象 切除不能な肝細胞がんで、全身化学療法治療歴のない患者
全体 954人
レンビマ群 ネクサバール群
n 478人 476人
全生存期間(中央値) 13.6カ月 12.3カ月
無増悪生存期間 7.4カ月 3.7カ月
無増悪期間 8.9カ月 3.7カ月
奏効率 24.1% 9.2%
副作用
全ての副作用 93.9% 95.2%
高血圧 39.7% 27.8%
下痢 30.0% 41.9%
手足症候群 26.5% 52.4%

奏効率:がんが30%以上縮小した患者の割合

 

 

レンビマはネクサバールに対して1.3カ月全生存期間の延長が認められ非劣勢が証明された。

 

たった一か月しか延長しないのかとガッカリしそうだが他の評価項目を見ると全てがレンビマがネクサバールを上回っており悪化するまでの期間が長いので治療中のQOLが高くなる。

 

更にレンビマは日本人集団に限って観察すると全生存期間が17.6カ月と有望な結果となっている。

 

レンビマは今流行りの免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダとの併用試験も進行中であり更なる治療成績の向上が期待される。

 

 

 


手足症候群


 

手足症候群とは手や足の皮膚が炎症や水膨れが生じて著しくQOLを低下させる抗ガン剤の副作用。

 

皮膚にはネクサバールやレンビマが作用するVEGF受容体があるらしくそこを邪魔すると皮膚に炎症が起きてしまう。

 

重症になると歩けなくなったりモノが掴めなくなったりして寝たきりにもなるのでマメなケアが求められる。幸いにも手足症候群は症状が出る前から保湿剤(ワセリンや尿素)で保湿しておくと発現リスクが下がる。もし発症してもそこそこ強めのステロイド外用薬を使えばコントロールは可能

 

だがそもそも論としてそんな厄介な副作用は出ないに越したことはない。手足症候群の発現率に着目するとレンビマとネクサバールのリスクは約2倍。明らかにレンビマの方が手足症候群は少ない。

 

 

 


脂っこいものは避ける必要があるネクサバール


 

レンビマは高脂肪食の前後に服用しても空腹時との大きな違いは認められなかったがネクサバールは高脂肪食の食後に服用すると血漿中濃度が低下するとの報告がある。

 

ネクサバールを服用中の場合、高脂肪食摂取時には食事の1時間前から食後2時間までの間を避けて服用することと添付文書に記載されている。

 

食事制限があり1日2回服用しなければいけないネクサバールより1日1回服用で脂っこいものを食べてもいいレンビマの方が患者にとっては有り難い。

 

 

 

 

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