【SDA】 リスパダールとインヴェガとルーランとロナセンの違い

 

リスパダール インヴェガ ルーラン ロナセン
一般名 リスペリドン パリペリドン ペロスピロン ブロナンセリン
構造式
製薬会社 ヤンセン ヤンセン 大日本住友 大日本住友
発売年 1996年 2011年 2001年 2008年
等価量 1mg 1.5mg 8mg 4mg
薬価 26.8円(1mg) 253.2円(3mg) 30.6円(8mg) 140.7円(4mg)
効能・効果
  • 統合失調症
  • 小児期の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性
  • 統合失調症
  • 統合失調症
  • 統合失調症
用法 1日2回 1日1回朝食後 1日3回食後 1日2回食後
一日最大量 12mg 12mg 48mg 24mg
薬理作用 5-HT2A>D2 5-HT2A>D2
  • 5-HT2A>D2
  • 5-HT1A刺激
D2>5-HT2A
半減期 3.9時間 19.6時間 5~8 時間 10.7時間
代謝酵素
  • CYP3A4
  • CYP2D6
  • CYP3A4
  • CYP2D6
  • CYP3A4
  • 1A1,2C8,2D6も関与
  • CYP3A4
代謝排泄
腎Cr制限 50ml/分以下
空腹時服用 影響無し 吸収低下 吸収低下 吸収低下
 
重篤副作用 リスパダール インヴェガ ルーラン ロナセン
低血糖
痙攣
肝機能障害

 

 

 

SDA(セロトニン・ドーパミン拮抗薬) の共通項

 

人間の脳内には四つのドパミン神経系が存在する。

 

中脳辺縁系:ここのドパミンが過剰になると幻覚や妄想などの陽性症状が起きる。

中脳皮質系:ここのドパミンが少なくなると意欲が無くなったりする

黒質線条体:ここのドパミンが少なくなると錐体外路症状が出てくる。

下垂体系:ここのドパミンが少なくなると高プロラクチン血症

 

SDAは中脳辺縁系に対してはドパミンを遮断して陽性症状の改善を行い中脳辺縁系おいては5HT2aを遮断することにより陰性症状を改善させる。

アナフィラキシーショック治療の場合は除くが全ての SDA に対して アドレナリンはアドレナリン反転が起こり血圧が低下する危険性があるので併用禁忌である。

 

 

リスパダール

 

世界中で使われているSDAの王者

リスパダールはSDAで唯一小児に対して保険適用(自閉スペクトラム症に伴う易刺激性)を持っている。製剤の剤型も豊富で錠剤以外にも口腔内崩壊錠、細粒、内用液と4種類の剤形がある、他のインヴェガ ルーラン ロナセンは錠剤しか存在しない。

 

リスパダールの他のSDAにはない利点と言えば食事の影響を受けないということがある、体調が悪く食事が取れない時に空腹に服用してもきちんと効果が出る。そんなリスパダールだか内用液は紅茶や日本茶と一緒に服用するとカテキンと結合してしまい含量が少なくなってしまう欠点がある。

 

リスパダールは体内に摂取されるとCYP2D6により代謝されて薬理活性を有するパリペリドン(インヴェガの成分)に変換される。リスパダールの薬効の半分以上はこのパリペリドンのおかげである。リスパダール→パリペリドンに変換する酵素 CYP2D6には個人差があり変換できない人は薬効が低下する。なら最初からリスパダールの活性代謝物を服用すれば良いのでは?との発想で作られた薬がインヴェガである。

 

 

 

インヴェガ

 

インヴェガの特徴は薬効というよりも製剤の工夫にある。インヴェガはリスパダールの1日2回とは違い1日1回朝食後の服用で効果が発揮できる。

 

インヴェガの製剤には薬物放出制御システム(OROS®)と呼ばれる工夫が施されており一日一回の服用で24時間安定した血中濃度を維持する。この特殊なシステムでパリペリドンが体内にゆっくり留まりながら放出されるのだが晩御飯の食べた後に服用すると夜は副交感神経が高まっており腸の働きが活発となり早く錠剤が体外に放出されてしまう。よってインヴェガは腸の動きがおとなしい副交感神経が相対的に穏やかな朝食後に服用することになっている

 

基本的にSDAは肝代謝だがこのインヴェガは腎排泄なのも大きな違い。

 

 

ルーラン

 

ルーランの一番の特徴 それは5-HT1A受容体への作用。この作用のおかげで抗不安や抗うつ効果を持ち、さらに錐体外路障害も軽減する。

ルーランの構造は 5-HT1A刺激薬であるセディールと構造が似ている。(ルーランもセディールも同じ製薬会社)

 

ドパミン受容体に対する親和性は高いが阻害作用が比較的短時間で低下するため半減期がSDAの中で最も短く1日3回服用が基本。

 

 

ロナセン

 

ドパミン受容体に対する親和性よりもセロトニン受容体に対する親和性の方が高くDSAと呼ばれる。そしてα1やH1受容体にほとんど作動しないため低血圧や眠気や体重増加などの副作用が少ない。

低血圧持ちで体重増加を気にする女性にとって服用しやすい薬

しかし代謝酵素CYP3A4を強力に阻害してしまうので内服の抗真菌薬アゾール系やプロテアーゼ阻害薬とか併用禁忌も存在する。

 

 

演習問題

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