【予防】アレグラとアレロックの違い 【インバースアゴニスト】

アレグラ アレロック
一般名 フェキソフェナジン オロパタジン
構造式
発売年 2000年 2001年
開発会社 サノフィ 協和発酵キリン
効能効果
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患に伴うそう痒
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹
  • 皮膚疾患に伴うそう痒
  • 痒疹、皮膚瘙痒症、尋常性乾癬、多形滲出性紅斑の瘙痒(成人のみ)
薬理作用
  • ヒスタミンH1受容体拮抗
  • ケミカルメディエータ遊離抑制
  • ヒスタミンH1受容体拮抗
  • ケミカルメディエータ遊離抑制
  • タキキニン遊離抑制作用
用法 1日2回 1日2回(朝と就寝前
剤形 錠剤 OD錠 ドライシロップ 錠剤 OD錠 顆粒 目薬(パタノール)
Tmax 2.0時間 1.00時間
T1/2 16.6時間 8.75時間
服用可能年齢 6カ月以上 2歳以上
妊娠中リスク[AU基準] B2 B1
腎障害時 慎重投与
肝障害時 慎重投与
眠気発現率 0.5% 7.0%
脳内H1占有率 3% 13%
自動車運転 制限無し 運転してはいけない
併用注意
  • エリスロマイシン
  • 制酸剤[水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム製剤]
高齢者 記載無 慎重投与
市販薬 アレグラFX

 

 

一般的に強いのはアレロック。尋常性乾癬など重篤な病気に対しても痒み止めとしての効果が認められる。アレグラは軽度~中程度の痒みに向いている。

 

即効性があるのもアレロック。アレグラが最高血中濃度に達するのに2時間かかるのに対してアレロックは1時間。二つとも蕁麻疹に適用があるが早く症状を抑えたいのであればアレロック。

 

眠気など副作用が少ないのはアレグラ。車の運転制限が無いし子供にも使いやすい。

 

 

 

上記以外にも2つには違いがある。

 

 


眠気とインペアードパフォーマンス


 

眠気

 

アレロックはアレグラと比較すると明らかに眠気が多い 。(眠気率 7% vs 0.5%)。第二世代抗ヒスタミン薬の中でもアレロックの眠気は平均以上。それに対してアレグラは眠気がかなり少ない

 

丿貫はアレロックもアレグラも試したことがあるがアレロックはとても眠かった。特に昼間

 

アレロックは朝と寝る前に服用するわけだが覚醒物質でもあるヒスタミンは夜よりも昼の方が脳内濃度が高い。 アレロックを日中服用すると強力にヒスタミンは遮断して眠くなる。

アレグラだと眠気は感じなかったが効果もイマイチだった。

 

 

インペアード・パフォーマンス

 

インペアードパフォーマンスとは抗ヒスタミン薬による集中力や判断力の低下。眠くなくても頭がぼやけて勉強や仕事に集中できない等の状態。

 

このインペアードパフォーマンスは脳内のヒスタミン受容体占有率と比例する。

 

 

アレグラは日本で使われている抗ヒスタミン薬の中で最も占有率が低く非鎮静的

アレロックはアレグラの4倍ヒスタミン受容体をを占有する。

 

 

 


飲み合わせ


 

アレロックには併用注意の記載が無い。しかしアレグラにはある。

 

アレグラの併用注意

アレグラは肝臓の代謝酵素CYPでほとんど代謝を受けない。しかし抗生物質エリスロマイシンとの併用には気をつける必要がある。

 

エリスロマイシンはP糖蛋白を阻害する。なのでフェキソフェナジンの排泄が阻害されて血中濃度が上昇しやすい。フェキソフェナジン血中濃度が2倍に上昇することもあり得る。しかしエリスロマイシンと同じマクロライド系抗生物質であるクラリスロマイシンとの併用については添付文書に記載がない。

 

制酸薬との併用はアレグラの吸収率を低下させる。 アレグラの成分フェキソフェナジンはマグネシウムアルミニウムと結合しやすく吸収が阻害される。

 

 

 


妊娠中


 

日本の添付文書ではアレグラもアレロックもメリットがデメリットを上回ると医師が判断した時にのみ使うこと と記載されている。

 

オーストラリア分類では アレグラはB2、アレロックはB1とわずかにアレロックの方が推奨では高い

 

オーストラリア基準

 

B1:制限された人数だけの妊婦や妊娠可能年齢の女性によって服用されており、それによって先天奇形の発症率の上昇や、そのほかの直接・間接の有害作用が確認されていない薬物。動物実験では胎児傷害の増加を示すエビデンスが認められない。

 

B2:制限された人数だけの妊婦や妊娠可能年齢の女性によって服用されており、それによって先天奇形の発症率の上昇や、そのほかの直接・間接の有害作用が確認されていない薬物。動物実験による研究結果は不適切なものしかないか、あるいは存在しないが、利用できる資料によれば胎児傷害の増加を示すエビデンスが認められない。

 

 

この2つより妊娠中に安心して服用できる抗ヒスタミン薬はポララミン。長い間使われている抗ヒスタミン薬で眠気は強いが妊娠中でも安心して使える。

 

 

 


授乳中


 

二つとも日本の添付文書では授乳中禁忌となっているがアレグラは米国小児科学会では最も安全と評価されている。

「Mother’s Milk and Medications」でも上から2番目に安全との評価。アレグラ自体が生後三か月から服用できる薬というのも心強い。

 

アレロックは動物実験で乳汁中に移行して子供の体重増加が抑制された後の報告がある。因果関係は不明であるがアレロックの方が成人でも副作用は強い。

 

 

 


予防効果とインバースアゴニスト作用


 

花粉症の人は毎年調子が悪くなる時期がわかる。なので花粉症の予防としてアレグラを服用している人もいる。しかし現時点で花粉症の症状が出ていないのにアレグラを服用しても良いのか?

 

結論は・・・

 

 

 

良い(むしろ推奨)

 

 

 

その理由を理解するためには二つのキーワードを知っておく必要がある。

 

・自然活性
・インバースアゴニスト

 

ヒスタミン受容体にアレルギー物質ヒスタミンが結合することによってアレルギーが起こる。しかし受容体というのはそんなに単純なメカニズムではない。

 

ヒスタミン受容体はヒスタミンなど刺激する物質(アゴニスト)が結合していない状態でも部分的に活性を持っている。この状態を自然活性と呼ぶ。活性型ヒスタミン受容体はヒスタミンが結合しなくてもアレルギーシグナルを伝達する。 車ならエンジンが掛かってスタンバってる状態。そしてヒスタミンがアクセルを踏めば直ぐに走り出す。

 

ヒスタミン受容体には二つの状態がある。

 

活性型と非活性型

 

この二つは相互に状態が変化する。

 

 

 

 

完全アゴニストのヒスタミンは活性型受容体に結合してアレグラは非活性型受容体に結合する。

 

花粉症の季節でヒスタミンが活性型受容体に結合するとフルスロットルでアレルギー症状が出る。

 

そこで症状が出ていない時(不活性型受容体の比率が高い)にインバースアゴニストであるアレグラを服用すると結合した不活性型が活性型に変化できなくなる。

 

車で例えたらエンジンキーの穴をふさいでエンジンをONにできない状態に持っていける。

 

花粉症の症状が3月ぐらいに毎年起こるのであればその一か月前からアレグラを予防的に服用するのは理にかなっている。

 

そして予防であればアレロックよりアレグラの方がより望ましい。(アレロックはニュートラルアゴニスト)

 

アレロックは強力な抗ヒスタミン薬で蕁麻疹にも即効性があるがインバースアゴニスト作用は持っていない。

 

 

つまり

 

 

 

予防で使うならアレグラ

今の症状を抑えたいならアレロック

 

と考えられる。

 

 


 

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