現在良く使われている睡眠薬といえばハルシオンやサイレースといったうベンゾジアゼピン系睡眠薬(BDZ)でそれらの乱用が社会問題となっている。
しかしそのBDZが子供のラムネ菓子に見えるほど強力な睡眠薬、それがバルビツール酸系睡眠薬。中毒性と依存性も高く危険性は日本で合法的に入手できる睡眠薬としては最強レベル。
なぜ危険性が高いかと言えば治療域と中毒域が狭く間違えて(故意に)オーバードーズすると脳幹を含む脳全体が抑制させ呼吸中枢も停止となり呼吸ができなくなる。
バルビツール酸系睡眠は動物の麻酔などでも使われており睡眠薬というより鎮静剤。
なぜそんなに効果が高いのか?
それはベンゾジアゼピン系睡眠薬がGABAA受容体に間接的に作用してクロライドイオンチャネルを広げてマイナスイオンを流入させるのである一定量でその作用は限界を迎える。
しかしバルビツール酸は直接クロライドイオンチャネルを開くので服用量を増やせば増やすほどドンドン作用が強まり脳全体を抑制してしまう。
とても危険な薬だが優れた睡眠鎮静、そして抗痙攣作用によるてんかん治療への応用などにより登場してから100年以上経った今でも臨床の場で使用されている。
- 第二種向精神薬
- 処方日数は14日まで
- 初めて使用した時は超強力な作用を発揮する
- 眠るというより落ちる
- 耐性が付きやすい。連用すれば耐性が付いて薬剤誘発性不眠。
- 薬疹など皮膚疾患の副作用が出やすい
- 肝臓に負担が掛かる
- 生命の危機となる量は 1.5~7.5g,ラボナ錠50mg(30~150錠)
- ペントバルビタールNaはネンブタールという名で麻酔薬として発売されていた。
- 第二種向精神薬
- バルビツール系の中でも強力な作用を示す
- イソブロ(イソミタール+ブロバリン)は故ベゲタミンに匹敵
- 服用後約30分で入眠し、4~6 時間熟眠が得られる
- イソミタール面接という意識(緊張)レベルを落とした状態で自己の内面を治療する場合に使われていた。
- 第三種向精神薬
- バルビツール酸系の中では比較的穏やかな作用
- 1912年にドイツのバイエルから商品名Luminalとして販売。
- 現在では抗てんかん薬としての処方が大半
- 特に小児てんかんに処方される
- 抗てんかん薬プリミドンの活性代謝物で時には敢えてその2つを併用する場合もある
- 薬物代謝酵素CYP3A4を強力に誘導するので抗HIV薬やアドシルカなど併用禁忌が多数
- 錠剤以外にも粉があるが原末と10%散。計算を一桁間違えると危険ので細心の注意を
- トランコロンPという過敏性腸症候群治療薬にも15mg配合されている。神経症由来の症状を緩和するために
- 液剤のエリキシルは鮮やかなルビー色でイチゴの良い匂いがするが味は苦い
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