商品名 | チロナミン | チラーヂン |
一般名 | リオチロニンNa | レボチロキシンNa |
承認年 | 1961 | 1964 |
製造販売 | 武田 | あすか |
効能・効果 |
甲状腺機能低下症 |
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粘液水腫 | ||
クレチン病 | ||
甲状腺腫 | ||
慢性甲状腺炎 | × | |
ヨウ素数 | 3個 | 4個 |
半減期 | 約1日 | 約7日 |
換算(目安) | 25μg | 100μg |
区分 | 劇薬 |
甲状腺ホルモンの発見は1915年で1917年に単離成功。
そして人工合成に成功したのは1927年とほぼ1世紀の歴史があり現在でも甲状腺疾患に無くてはならない薬。
甲状腺ホルモンは人間の活動に必須であり代謝を高め熱を生産する。幼少期だと成長にも必要。
不足すると甲状腺機能低下症となり橋本病や稀に粘液水腫という病気になる。
健常成人でも甲状腺ホルモンが少なくなると倦怠感が出る。そんな時には甲状腺ホルモンが効果的な場合がある。
精神領域にも影響があり長年うつ病だった人が血液検査をしてみると甲状腺ホルモンが少なくなっていたので少量のチラーヂンを与えると数日で鬱症状が改善したり。
チラーヂンとチロナミンはそんな甲状腺ホルモン製剤。
2つの薬の違いは構造式を見れば一目瞭然だがヨウ素の数。
レボチロキシンは4つしかないがリオチロニンは3つある。
甲状腺ホルモンとしての力はヨウ素3個の形の方が4個のカタチよりも強い。
だがヨウ素4つのレボチロキシンは肝臓などで一つヨウ素原子が外れて最終的に3つの形になる。
利休
甲状腺ホルモンの薬はチラーヂン(T4)とチロナミン(T3)の2つあるようじゃがどっちを飲んだらいいんじゃ?ワシは栄養ドリンクっぽいチロナミン飲んでみたいんじゃが
確かにチロナミンはビタミン剤アリナミンを作っている同じ武田薬品工業の製品ですがビタミン剤ではありません。
織部
甲状腺ホルモン低下症の治療はチラーヂン(T4)が第一選択薬となっています。
織部
利休
でもチラーヂンのT4は作用がT3よりも弱いんじゃろ?効くんかの?
T4は体の中でT3に変換されるので心配無用です。むしろT3は代謝されやすかったりで血中濃度が安定しないので使い方が難しいです。
織部
チロナミンはほぼ100%吸収されて急激に血中濃度が上昇するのでリスクが高いです。甲状腺疾患の治療は長期戦なので毎回ドキドキしやすいT3はできるだけ遠慮したいところです。
織部
利休
どんなリスク?
心臓がドキドキしたりします。
織部
利休
恋かな?
不整脈です。
織部
利休
半減期を見るとチラーヂンはかなり長めじゃのう
もうチラーヂンを長い期間継続服用しているなら定常状態となっているので1日のみ忘れてもほぼ影響は無いです。そういった意味でも安心な薬です。
織部
利休
じゃあもう全部チラーヂンでいいんじゃ?
昔はT3とT4を併用したり動物の甲状腺粉末を使用したり試行錯誤していましたが比較試験などを行った結果、基本的にはチラーヂン(T4)だけで良いという結論が出ています。
織部
ただどうしてもチラーヂンで上手くいかない患者さんだったり粘液水腫という珍しい病気にはチロナミンが活躍します。
織部
利休
チロナミンは何かしらの理由があって処方されるんじゃな