商品名 | タリージェ | リリカ |
一般名 | ミロガバリン | プレガバリン |
製薬会社 | 第一三共 | ファイザー |
日本発売年 | 2019年 | 2010年 |
効能効果 |
|
|
用法 | 1日2回 | |
薬理作用 | α2δサブユニットとの結合 | |
尿中未変化体 | 76% | 99% |
Tmax | 1時間 | 1時間 |
半減期 | 3時間 | 6時間 |
ヒトα2δサブユニット解離定数 | ||
α2δ-1 | 13.5nmol/L | 62.5nmol/L |
α2δ-2 | 22.7nmol/L | 125.0nmol/L |
併用禁忌 | 無 | |
併用注意 |
|
|
腎機能障害への対応(CLcr) | 90mL/min以下から | 60mL/min以下から |
副作用 | ||
帯状疱疹後神経痛 |
|
|
糖尿病性末梢神経障害性疼痛 |
|
|
重大な副作用 | ||
|
|
- 服用方法は1日2回
- 作用機序は中枢神経のα2δに結合してカルシウムイオンの流入を防ぐ。
- 腎排泄型薬物なので腎機能には気を付ける。タリージェとリリカでクレアチニンクリアランスに対する対応が異なっている。
- 眠気が強いので服用中は車の運転など危険作業をしてはならない。アルコールもダメ
- 浮動性めまいは飲み初めに出やすい
傾眠は2つとも同じような頻度で現れるがリリカの特徴的な副作用である浮動性めまいがはタリージェだと発現率半分。重篤な副作用の種類もにタリージェが少ない。
しかしリリカが日本で使われて10年目なのに対してタリージェは今年デビューしたばかり。圧倒的に臨床数が違うのでこれからタリージェにも色々副作用が出てくるはず。
傾眠と眩暈以外の副作用だと体重増加がある。
タリージェによる体重増加が認められ、その増加量の平均値は 2kg 未満。
タリージェの併用注意薬として胃酸分泌抑制剤のシメチジンがある。
併用するとタリージェの血中濃度が上昇してしまう。シメチジンは英国で開発された革新的な胃薬だが既に半世紀前の薬でこれから新しくシメチジンを服用しようという患者さんも少ないだろうが一応注意。シメチジンは胃酸分泌抑制以外にも肩の痛みや免疫調整、ガン転移の予防など多様な薬理作用があるので意外なところでバッティングしてしまうかもしれない。
リリカの注意すべき併用薬としてはアクトスやアバンディアといったチアゾリジン系。浮腫みがでやすいのでリリカと併用すると余計に浮腫みが増す。アクトスは女性だと特に浮腫みが出やすい。
リリカはここ5年間で毎年5000億円を超える売上。2018年のロキソニン売上が300億円なのでまさに桁違い。
しかしリリカは特許切れが迫っており日本でも特許が切れたら10社以上からジェネリック医薬品が発売されるだろう。リリカとほぼ同じ作用機序なタリージェは2019年に発売されたばかりの新薬で特許切れはまだまだ先の話。
もしこれからリリカの患者さんを奪えたらタリージェの売上はかなり大きくなる。
リリカは保険適応できる病気が沢山ある。
タリージェは2019年5月時点で末梢性神経障害性疼痛にしか使えないがリリカは末梢性でも中枢性でも使える。
中枢性:脊髄損傷後疼痛・多発性硬化症・脳卒中後疼痛
末梢性:帯状疱疹後神経痛・糖尿病神経障害に伴う痛み・坐骨神経痛・三叉神経痛
タリージェが中枢性神経疼痛に効果が無いというわけではなく現時点で保険が使えるかどうかという話、臨床試験で効果が証明されたらタリージェも保険が使える。
構造式を見ればわかる通り、タリージェはリリカの類薬で薬理作用も同じ。
構造式 | ||
タリージェ | リリカ | ガバペン |
リリカの元となったのは抗てんかん薬ガバペン。リリカと同じ製薬会社ファイザーが開発した薬で神経疼痛に効果がある。一目見ると3つそれぞれ構造式が違う印象だが骨子となる構造部分は共通している。
α2δ受容体に対するくっつき易さはリリカよりタリージェの方が強いが疼痛抑制効果に大きな違いはない。薬事・食品衛生審議会でも医薬品医療機器総合機構の担当者はタリージェとリリカに大きな違いは無いですと解答している。じゃあ何で同じような薬が発売されたんだよという話だが・・・
リリカはファイザーというアメリカの製薬会社、タリージェは日本の製薬会社が作った。リリカの代わりにタリージェが売れたら国庫に入ってくる税金も増える。
タリージェとリリカの一番の違いは
made in JAPAN