【ナトリウム】 ラシックスとサムスカの違い

商品名 ラシックス錠 サムスカ錠
一般名 フロセミド トルバプタン
製薬会社 サノフィ 大塚
日本発売年 1981年 2010年
効能効果
  1. 心性浮腫
  2. 肝性浮腫
  3. 腎性浮腫
  4. 末梢血管障害による浮腫
  5. 高血圧(本態性、悪性、腎性等)
  6. 月経前緊張症
  7. 尿路結石排出促進
  1. 心不全における体液貯留
  2. 肝硬変における体液貯留
  3. 常染色体優性多発性のう胞腎
用法 ①~⑦:1日1回

①~②:1日1回

③:1日2回

薬理作用 Na–K-2Cl輸送系阻害 バソプレシンV2受容体拮抗
作用部位 ヘンレループ上行脚 集合管
排泄促進 水と電解質
利尿効果発現 30分 2時間
利尿効果持続 6時間 12時間
経口BA 50% 56%
血漿蛋白結合率 91~99% 98.0%以上
代謝・排泄 グルクロン酸抱合 CYP3A4
個人輸入 禁止 可能
特徴的な副作用
ショッ ク、アナフィラキシー
肝機能障害
難聴
高尿酸血症
低カリウム血症
高ナトリウム血症
低ナトリウム血症
橋中心髄鞘崩壊症

 

 


副作用


 

ラシックスは電解質や代謝へ広く影響を及ぼす。

 

尿酸値が上昇して痛風にもなりやすくなる。なぜ尿酸値が上昇するかと言えばフロセミドと尿酸を排出するトランスポーターが同じで競合してしまうので排泄が滞ってしまう。尿酸値だけでなく悪玉コレステロールや中性脂肪も上昇するがサムスカはそのような電解質や代謝への影響が少ない。

 

ラシックスは腎機能が低下している腎障害時にも大量投与されることがあるが大量投与は難聴といった深刻な副作用リスクを上昇させる。

 

だがサムスカにも深刻な副作用がある。

 

 

 


血中ナトリウム濃度の変動


 

ラシックスとサムスカの最も大きな違いはナトリウム濃度の変化。

 

ラシックスに限らずループ系利尿薬は腎尿細管でナトリウム再吸収を阻害してナトリウムを排出するので血中ナトリウム濃度は低下する。反対にサムスカはナトリウムの再吸収を阻害せずに水の再吸収だけを阻害する。なので体内のナトリウム濃度は水が減った分上昇してしまう。

 

この高ナトリウム濃度の状態は橋中心髄鞘崩壊症という危険な副作用のトリガーとなるので放置してはいけない。

 

なのでサムスカは初回投与時に入院管理が必須。投与したその日に採血は勿論それ以降も継続的なモニタリングを行う必要がある。

 

 

 


利尿剤を併用する意義


 

ラシックスは降圧力そのものは弱く他の降圧剤と併用する。利尿剤抵抗性の患者さんにはサムスカを追加で併用する場合がある。併用する事で効果が増す。

 

効果面だけでなく副作用予防の観点からもこの2つの薬はよく併用する。ラシックスとサムスカはナトリウム濃度が逆方向に変動するのでサムスカを使用する時はラシックスを併用するとナトリウム濃度の上昇が抑えられる。

 

サムスカのナトリウム濃度上昇と防止という理由でも併用が推奨されている。ラシックスの低カリウム血症防止にはカリウム保持性がある利尿薬スピロノラクトンと併用されている。

 

利尿剤はそれぞれの長所と短所を補い合いながら併用する。

 

 

 


利尿剤でダイエットはやめよう


 

ループ系利尿薬は強力で服用したら30分で効果が表れ余計な水分が出ていき体重が落ちる。効果を実感しやすいので利尿剤でダイエットしようとする人もいるが代謝系が狂う。血糖値や中性脂肪が上昇して健康を損なう。

 

ラシックスは個人輸入禁止となったが他の利尿剤はまだ輸入可能、サムスカも輸入可能。

 

高価なサムスカ飲んでまでダイエットする人は流石にいないと思うが

 

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