(MGL-3196の構造式)
この製薬会社には商品が無い。売上ゼロ
なら何の薬を開発しているかと言えばNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の薬。脂肪が肝臓に溜まり過ぎると炎症や繊維化を引き起こし癌化率も上昇してしまう。
これまで生活習慣病の薬はあらかた開発されてしまったのだがこのNASHという分野だけはまだ治療薬が無いので当たれば大きい。
マドリガル以外にもバイキングやインターセプトといった会社が開発競争を繰り広げている。
MGL-3196は現在phaseⅢでこの試験で好成績を示せれば一気にゴールが近づく。
企業名:Madrigal Pharmaceuticals
上場取引所:Nasdaq
ティッカー:MDGL
CEO: ポール・A・フリードマン
従業員数:8人
本社拠点:ペンシルベニア州コンショホッケン
開発コード | 一般名 | 作用機序 | 対象疾患 |
MGL-3196 | resmetirom | 甲状腺ホルモン受容体β刺激 | 非アルコール性脂肪性肝炎 |
マドリガルはこのMGL-3196以外に有力な治験薬が無い。
つまりMGL-3196がゴール(FDA承認)までたどり着かなければこの会社の命運も尽きる。マドリガルの株を買うという事はMGL-3196に全てを掛けるに等しい。
リスクを分かりやすく例えるとカイジの鉄骨渡り。
落ちても骨折で済むステージではなく次の高層ビルでの鉄骨渡り。細い鉄骨の上を強風が吹きつける中、ダミーのゴールではなく真のゴールにたどり着かなくてはならない。
辿り着いたらコングラチュレーション
FDA承認。
しかし承認されたからといってすぐにお金が入ってくるわけではない。実際に薬を販売して使われないと1ドルもお金は入ってこない。
医師にプロモーションする営業部隊も作ったりでドンドンお金が無くなっていく。そんなこんなで弱小バイオが自社で薬を開発して最終的に代金を回収するまでには鉄骨渡りレベルのリスクが伴う。
この会社に投資するには鉄骨を渡る勇気が必要。
phaseⅡ試験
主要評価項目 | 36週目の肝脂肪の相対的な減少 | |
症例数 | MGL-3196:プラセボ=73人:34人 | |
期間 | 36週間 | |
MGL-3196群 | プラセボ群 | |
解決した割合 | 39% | 6% |
プラセボよりも有意にNASH患者を治療した。この患者群はVIKINGの比較的軽症なNAFLD患者対象のphaseⅡとは違い炎症や線維化が起きているNASH患者。それを肝生検したデータ。
↑の良好な試験結果を受けてphaseⅢ試験が開始されている。
主要評価項目 | 52週目の肝生検でNASHを解決した割合のプラセボとの比較 |
副次評価項目 | 生検52週目のNASHを悪化させることなく線維化段階を1ポイント以上改善 |
“ | LDLコレステロールの減少 |
期間 | 52週間 |
対象患者 | ステージ2または3の線維症を伴うNASH |
人数 | 900人 |
振り分け | MGL-3196(80mg)MGL-3196(100mg):プラセボ=1:1:1 |
phaseⅡ試験では半数が60mgのMGL-3196を投与されていたのでより高用量で更なる良い結果が出るのか。対象患者が一気に10倍近くとなりより精度の高いデータが取れる。
2018年6月に買収話が持ち上がった時に株価が300ドルまで上がった事がある。時価総額でいうと50億ドル。
今はヘルスケアセクター全体が沈んでいるのでマドリガル株も沈んでいるがphaseⅢの結果が出る52週間の間に300ドルと今の株価の中間200ドルまでは期待上げするのではないかと考えている。
サンバイオの一件で思ったが期待上げ段階で利確するのも一つの方法かもしれない。
最終的にどうなるかは置いといて一回は吹き上がる。と思っている。
GILDはPhase3でずっこけたんじゃないんでしたっけ?
他にもこけまくってるの見ると、NASHはやっぱ難しいんですねえ
正直、創薬なんて難しいことせずに運動と食事制限しとけって思っちゃいますね
そうでした、selonsertibミスってました。アルツハイマー薬より難易度は低いはずですがなかなか成功しませんね。現在開発中の薬を飲むより運動して体重5%減らす方が効果的だと思います