【肺炎】 クラビットとジェニナックとグレースビットの違い 【副鼻腔炎】

商品名 クラビット ジェニナック グレースビット
一般名 レボフロキサシン ガレノキサシン シタフロキサシン
構造式
発売年 1993年 2007年 2008年
開発会社 第一三共 富山化学 第一三共
用法 1回500mgを1日1回 1回400mgを1日1回
  • 1回100mgを1日1回
  • 1回50mgを1日2回
剤形 錠剤、細粒、点眼、点滴 錠剤 錠剤、細粒
1錠薬価 381.6円 214.8円 169.3円
最安ジェネリック医薬品
1錠薬価 97.0円 85.9円
併用注意
Al,Mg,Fe
ワルファリン
硝酸剤
テオフィリン
血糖降下薬

 

3つ全て日本の製薬会社が開発した抗菌薬。

抗菌薬や抗生物質は日本の製薬会社が得意な分野でマクロライド系抗生物質のクラリス、お菓子会社明治が作ったセフェム系抗生物質メイアクトとベストセラー薬がたくさん。

 

しかし抗生物質は長くても一週間、慢性副鼻腔炎での少量長期投与など例外を除いてすぐに飲み切り治る。一錠当たりの薬価も安いので製薬会社は儲からない、新規の抗生物質をガンガン開発しようという雰囲気では無い。

 

なので耐性菌ができないように最小量で慎重に使わなければならないのだが不適切な処方で耐性菌が発生している。新規薬が無く耐性菌が蔓延すると人類の危機。どんな抗生物質も効かない変異したペストが流行したら人類滅亡の危機。なので抗菌薬は適切に処方しよう。

 

 


・クラビット

ニューキノロン系抗菌薬のベストセラー。日本で一番使われているニューキノロン系抗菌薬。錠剤だけでなく細粒、点眼薬、点滴もあり使いやすいし抗菌スペクトルも広い。

 

構造式を比べると分かるがクラビットはタリビッドと同じ。タリビッドはラセミ体なので有効成分だけを抽出したのがクラビット。タリビッドはタリビッ「ト」ではない。

 

グラム陽性菌でもグラム陰性菌でもオールマイティに効果があり原因菌が想定と違っていても結果として効果がでる。その便利さが不要な処方を招き耐性菌が発生。クラビットは風邪に効かない。

 

腎排泄される薬なのでその通り道である尿路感染症には著効する。その反面、腎機能が低下している人に処方する時は慎重さが必要でクレアチニンクリアランスを目安に減量する。Ccr50以下では調節が必要。

 

クラビットの目薬は結膜炎や麦粒腫にも良く効く。

 

最高血中濃度に達する時間が約1時間とレスピラトリーキノロンの中でも早い方で服用したら急激に血中濃度が上昇する。ロキソニンSなどのNSaidsは併用すると痙攣リスクが高まるとの報告があるのでどうしても同じ日に服用したい場合はロキソニンとの服用時間を離した方が良い。

 

 

 

・ジェニナック

販売しているのはアステラス製薬だが富山化学が創成した抗菌薬。

 

肺炎球菌、マイコプラズマ、クラミジアに対しての活性が特に高い。肺炎球菌に対する国内臨床試験では菌消失率100%(122人/122人)を達成。その反面、膀胱炎など泌尿器系には適応が無い。咽頭系、呼吸器系以外で適応があるのは中耳炎と副鼻腔炎しかないのでイメージとしては上半身の薬と覚えればいい。

 

だがジェニナックはクラビットと比較して糞便中への排泄率が高く大腸菌や大腸菌原因の疾患にも効果がある。

 

構造式で特徴的なのはキノロン環に直接フッ素が結合していないこと。ニューキノロン系は6位にフッ素を付けて薬理作用を増強しているがジェニナックには直接はフッ素が結合していない。

 

ジェニナックの併用注意薬に喘息薬テオフィリンと硝酸剤ニトログリセリンや硝酸イソソルビドがある。併用するとテオフィリンではテオフィリン濃度が上昇、硝酸剤では血圧低下が起こると添付文書に記載されているがなぜ起こるは「不明」となっている。ジェニナックは肝代謝酵素CYPに影響を与えないので他の因子が考えられる。

 

 

 

・グレースビット

クラビットと同じ第一三共が開発した比較的新しいニューキノロン系抗菌薬。だが既にジェネリック医薬品が販売されている。肺炎球菌に対してはクラビットやジェニナックよりも活性が高く耐性菌に対しても効果が期待できる。クラビットで効かない時の切り札。

 

ニューキノロン系は世代が進むと適応症が少なくなるがグレースビットは泌尿器分野でも保険適応がある。歯科領域でも適応がある。

 

しかし同世代のニューキノロン系薬と比較すると下痢や軟便といった副作用がでやすい。抗生物質全般だが腸にいる善玉菌も弱ってしまうので下痢が起こりやすい。

 

グレースビットは販売当初1日2回服用だったが検証試験の結果1日1回2錠服用が可能となった。効果が変わらないという事で。

 

ニューキノロン系抗菌薬は血中濃度を一気に高めた方が効果が期待できる。24時間安定した血中濃度よりも1日1回ガツンと上げるべき。お酒の一気飲みは良くないがニューキノロン系はまとめて一気飲みが推奨されている。

 

 

 

 


適応症の違い


保険適応
商品名 クラビット ジェニナック グレースビット
肺炎
急性気管支炎
扁桃炎
咽頭炎
膀胱炎 ×
腎盂腎炎 ×
尿道炎 ×
前立腺炎 × ×
子宮頸管炎 ×
外耳炎 × ×
中耳炎
副鼻腔炎
歯周組織炎 ×
コレラ × ×
ペスト × ×

 

 

中世ヨーロッパに壊滅的な被害をもたらせたペストにも適応があるクラビットの万能感は異常。もうクラビットさんだけでいいんじゃないかな状態。

 

しかし近年クラビットに耐性を持つ肺炎球菌の出現などが問題となり新たな抗菌薬が求められた。そんな中で開発されたのがジェニナックやグレースビット。

 

肺炎球菌に対する抗菌活性は

グレースビット>ジェニナック>クラビット

 

だが逆に呼吸器以外、特に尿路感染にはジェニナックは効果が期待できない。

 

上半身も下半身もカバーできるのがクラビット

肺炎球菌など呼吸器系に強いジェニナック

クラビット耐性菌など他のニューキノロン系が使えない時の切り札がグレースビット

 

 

演習問題

 

 

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