【過活動膀胱】 抗コリン薬の一覧

ポラキス バップフォー ベシケア
一般名 オキシブチニン塩酸塩 プロピベリン塩酸塩 コハク酸ソリフェナシン
販売開始年 1988年 1993年 2006年
製薬会社 サノフィ 大鵬 アステラス
効能・効果
  • 神経因性膀胱,不安定膀胱(無抑制収縮を伴う過緊張性膀胱状態)における頻尿,尿意切迫感、尿失禁
  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
  • 神経因性膀胱、神経性頻尿、不安定膀胱、膀胱刺激状態(慢性膀胱炎、慢性前立腺炎)における頻尿、尿失禁
  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
基本用法 1日3回 1日1回食後 1日1回
代謝酵素 CYP3A CYP3A4 CYP3A4
併用禁忌
デトルシトール ウリトス トビエース
一般名 酒石酸トルテロジン イミダフェナシン フェソテロジンフマル酸塩
販売開始年 2006年 2007年 2013年
製薬会社 ファイザー 杏林 ファイザー
効能・効果
  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
  • 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
基本用法 1日1回 1日2回朝夕食後 1日1回
代謝酵素 CYP3A4 CYP3A4

UGT1A4

CYP3A4

CYP2D6

併用禁忌

 

過活動膀胱に使われる抗コリン薬は6成分全て推奨グレードがAと差が無く有効とされる。

なので使い分けは抗コリン薬に宿命の口渇や便秘、中枢への影響など患者の状態に応じて使い分けられる。

 

抗コリン薬の原理は膀胱に存在しているムスカリン受容体へのアセチルコリン結合を阻害して膀胱の過度な収縮を抑制すること。そのムスカリン受容体はサブタイプがあり各抗コリン薬で選択性が異なる。

 

β3刺激薬が膀胱を広げるのに対して抗コリン薬は膀胱が縮むのを防ぐ。

 

 


 

ポラキス

  • 血液脳関門を通過しやすく高齢患者の認知機能低下リスクがある(ドネペジルとは逆の作用
  • 膀胱平滑筋に対して直接作用して弛緩させる作用も持つ
  • 口渇や便秘などで治療途中でのドロップアウト率が高い
  • 授乳中は禁忌(乳汁への移行性がある
  • ネオキシテープという貼り薬タイプも発売されておりポラキスと比較して口渇や便秘が少ない

 

 

バップフォー

  • 抗コリン作用のほかにカルシウム拮抗作用による平滑筋弛緩作用を持つ。
  • ポラキスと違い長時間作用型。
  • 基本的に1日1回だが効果不十分な場合は1日2回処方が可能
  • 散剤があるので小児でも使いやすい
  • 眼調節障害、眠気、めまいがあらわれることがあるので運転は禁止

 

 

ベシケア

  • 日本で開発されたOAB治療薬
  • 用量依存的に口渇や便秘が出てくる
  • 半減期が50時間と長い
  • M2選択性が低く心臓への影響が少ない
  • 便秘の発現率が抗コリン薬で最も多い
  • 重度の肝障害には禁忌

 

 

デトルシトール

  • 徐放性の製剤
  • 脂溶性が低いので中枢への移行が少ない
  • CYP3A4阻害薬を併用する場合は1回2mg
  • ムスカリン受容体サブタイプに対して非選択だが膀胱への移行性が高い
  • 眼圧が調節できない閉塞隅角緑内障」は禁忌

 

 

ウリトス

  • M1、M3受容体に対して強い抑制作用を示すがM2に対しては弱い
  • 短時間作用型なので、日中のみ、夜間のみのOAB症状に対応しやすい
  • 服用開始一か月で口渇の副作用がピークとなるが3か月したら服用開始時点レベルまで減る
  • 抗コリン薬の中で最も口渇が少ない
  • カルシウム拮抗作用は無し

 

 

トビエース

  • デトルシトールのプロドラッグ
  • 強力なCYP3A4阻害薬を併用する場合は1回4mgまで
  • 抗コリン薬の中で最も口渇が多い
  • 重大な副作用に「血管浮腫」がある

 

 

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