【コンタクトは】 ムコスタ点眼液:ムチンがむちむち 【一応OK】

一般名 レバミピド
製薬会社 大塚製薬
薬価収載年 2011年

 

 

ドライアイ治療薬であるムコスタ点眼液(一般名:レバミピド)

 

その主成分であるレバミピドは1990年に承認された胃潰瘍治療薬ムコスタ錠の主成分と全く同じ。

ムコスタ点眼液が発表された当初は

 

胃薬を目に入れるとかマジキチ

 

とかなり驚いたものだが今ではドライアイ治療において重要な位置を占めている薬となりその存在に違和感がない。

 

違和感があるのは点眼した後である。

 

 


名称の由来


Mucosal[粘膜]+stabilizer[安定化]

Gastric[胃+]Mucosal[粘膜]+Prostaglandin[プロスタグランジン]+Inducer[誘導物質]

UDはUnit Doseの略である。

 

 

ムコスタのムコという言葉は粘膜ネバネバ

痰もネバネバ

 

というわけで痰切りの薬もこのムコいう名前が使われる、

ムコダイン

ムコソルバン

ムコフィリン

ムコサール

 

みんなムコから来ている。

 

 

 


効能・効果


  • ドライアイ

 

ムコスタの添付文書には「涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること。」との注意書きがある。ヒアレイン点眼液の添付文書にはこの記載が無い。

 

 

 


使い方


  • 1回1滴、1日4

 

ヒアレインとジクアスは1日6回使うのに1日4回でいいのは大きなメリット。

1日6回とか使ってられないので1日4回はかなり助かる。ドライアイは緑内障と違い自覚症状があるので乾燥したら自然と点眼したくなるのかもしれないが。

 

ムコスタ点眼液は一回使い捨てタイプなので使うこと自体は難しい薬ではない。

 

点眼後、閉瞼して1~5分間涙嚢部を圧迫した後開瞼すること。

 

 

むしろ使う前の保管方法に制限がある。

 

点眼口を上向きにして保管すること。

 

下向きにして保管してしまうと成分が底に沈殿して使う前にフリ混ぜても粒子が分散しにくくなる。

 

 

 


ムコスタ点眼液の作用機序


角膜
  • 角膜ムチン産生促進
  • 角膜上皮障害の改善

 

結膜
  • 結膜ムチン産生促進
  • 結膜上皮細胞の改善
  • ゴブレット細胞数の増加

 

胃薬のムコスタ錠の主な作用機序はプロスタグランジンという物質を増加させ胃粘膜の血流を増加、その結果として

 

  • 胃粘膜保護作用
  • 胃粘液量増加作用
  • 炎症性細胞浸潤に対する抑制作用
  • 活性酸素抑制作用

 

という薬理効果が発生する。

 

胃の表面も目の表面も粘膜で覆われている、ならムコスタって目にも効果あるんじゃね? と思い立ったのが大塚

 

粘液のネバネバ成分を構成する物質の一つとして厶チンというタンパクがある。

眼においてレバミピドはプロスタグランジン作用ではなくこのネバネバのムチンを増やすという作用機序によりドライアイ症状改善する。

 

具体的にどのようにムチンを増やすかといえば上皮細胞に存在するムチンを分泌するゴブレット細胞を増やす。

 

ゴブレット細胞は杯細胞とも呼ばれており聖杯に似ている。

 

 

聖杯を手に入れるとドライアイを治したいという願望が叶う。

 

ムコスタは胃の炎症にも効果があるので目の炎症にも効果があると考えられている。

 

目の乾燥だけでなく炎症が起きている場合はヒアレインやジクアスではなく抗炎症作用があるのムコスタ点眼のがオススメ。

 

そもそも論としてドライアイの根本は目に炎症が生じていてその結果、涙液の分泌を促すセンサーがぶっ壊れているからドライアイになるという仮説がある。

 

そう考えるとこれまでのドライアイ治療薬よりもより上流で作用しているとも考えられる。

 

 

 


構造式


一般名:レバミピド

 

 

大塚製薬を代表する薬エビリファイ、 メプチン、プレタール、ミケラン、 そしてムコスタ

 

これらの薬には共通した構造が存在する、それがキノリノン骨格

この骨格がなければ今の大塚製薬は無い。

 

 

ムコスタ エビリファイ プレタール ミケラン メプチン

 

 

統合失調症薬エビリファイは アメリカで大ヒットして特許が切れるまでは年間数千億円の売り上げだった。

抗血小板薬プレタールも循環器科で大活躍。もしかしたら認知症にも効果があるかもしれないとして治験中である。

ムコスタはそんなキノリノン骨格の4位を置換して作った薬である。

 

しかしこうして見るとこの骨格の多様さが良く解る。

 

ムコスタは胃薬

エビリファイは抗精神病薬

プレタールは抗血小板

ミケランはベータブロッカーで緑内障治療薬

メプチンは逆にベータ刺激薬の喘息発作治療薬

 

これらの薬はジェネリック含めて今の臨床では欠かすことのできない重要な薬たち。

 

 

 


臨床効果


第Ⅲ相試験
試験デザイン 無作為化二重盲検群間比較
比較対象薬 0.1%精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液
対象患者 ドライアイ患者(シェーグレン症候群含む)
全症例数 n=188
期間 4週後または中止時
振り分け ムコスタヒアレイン=93:95
評価項目
  • 角膜フルオレセイン染色スコア
  • 角膜および結膜ローズベンガル染色スコア

*フルオレセイン染色::障害の程度をスコア化し合計15点満点

*リサミングリーン染色:障害の程度をスコア化し、合計18点満点

 

 

 

フルオレセイン染色スコア
ムコスタ ヒアレイン
変化量 -3.7±0.3 -2.9±0.2
群間差[95%信頼区間] -0.9(-1.47~-0.24)
結果 ムコスタはヒアレインに対して劣っていない

 

角膜に起きるフルオレセイン染色スコアだとムコスタとヒアレインは互角。

 

 

リサミングリーン染色スコア
結果 ムコスタはヒアレインに対して優れている

リサミングリーン染色スコア試験だと統計的に有意な結果が出ているのだが添付文書にはグラフしかなく詳細が無かった。

 

ムコスタ点眼液が力を発揮するためには時間が必要。目の前が白くても苦くても4週間我慢したらいいことがある かもしれない

 

 

 


副作用


ムコスタ ヒアレイン
国内臨床試験 承認時迄の調査及び使用成績調査
総症例 670例 4,208例
副作用発現数 163例 74例
副作用発現率 24.3 1.76%
1位 苦味 15.7% 眼瞼そう痒感 0.45%
2位 眼刺激感 2.5% 眼刺激感 0.36%
3位 眼瘙痒 2.2% 結膜充血 0.24%

 

 

ムコスタ点眼を使用すると6人か7人のうち一人に苦味が生じる。

 

苦い物質(レバミピド)を点眼してるんだから改善するのは難しい。 鼻涙管という通路があるのでそこを経由して行ってしまう。

ムコスタ点眼液は効果が出るの2週間以上かかるがこの苦味は即効性。

 

効果を感じないのに副作用が出ると治療ドロップアウトの危険があるので眼科医や薬剤師がそのあたりをきちんと説明しておく事が必要である。

 

重大な副作用には涙道閉塞がある。

ネバネバ成分のムチンが出過ぎたことにより不要物が溜まり閉塞してしまう。

 

 

 


代謝排泄


代謝部位:肝

 

レバミピドの代謝にはCYP3A4が関わっている。

 

しかしそのことによって併用薬に影響が出たりするほどのレベルではない。なのでムコスタ点眼液はもちろんのことムコスタ錠にも併用禁忌薬は存在しない。

グレープフルーツジュースを飲みながらムコスタ点眼液を使ってもいい。グレープフルーツジュースの苦味でムコスタ点眼液の苦味と誤魔化すという荒業も可能である。

 

 

 

 


ムコスタ点眼液UD2%の薬価


製品名 規格 製薬会社 薬価
ムコスタ点眼液UD2% 1本 大塚製薬 27.4円

 

 

使い捨て容器1本には0.35mL入っている。

一般的に1滴0.05mlなので 右目と左目にそれぞれ使っても0.1mLなので0.25mL余る。

理論的には一本に3回分入っている計算になる。

 

いやしかしムコスタ点眼液には保存料が入っていないので汚染の恐れがある。

ヘチカンのようなドケチが自己責任において再利用する分には問題ないが 患者さんに説明する時は1回使ったら必ず捨てるように指導しよう

 

ムコスタ点眼液にジェネリック医薬品は2019年時点で存在しない。

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