【透析】 アメナリーフとバルトレックスの違い

ウイルスが増殖するためには自身のDNAを元に増殖しないといけないのですがその時にDNA二重螺旋を解く必要があります。

DNAが二重螺旋のままだと読み取りができないんです。パン製造で例えると同じ形のパン型が向かい合って仕舞ってある状態です。

鋳型が向かいあってたらパンが作れないんでそれぞれ一つにします。解く道具がヘリカーゼという名前でアメナリーフはそこの作用します。

聞けよ

アメナリーフが作用する場所はもう一つあります。プライマーゼという道具にも作用してウイルスDNA増殖を邪魔します。

パンの鋳型にパンの原材料である小麦粉やイースト菌を入れていく道具的なものがプライマーゼですがそこにもアメナリーフは阻害します。

ヘリカーゼとプライマーゼは複合体として存在しているのでそこをアメナミビルは阻害してウイルス増殖を邪魔します。

バルトレックスはウイルス原材料に似た物質でウイルス合成時に取り込ませて増殖を停止させるます。回転しているギアに石を挟んで強制停止させるイメージです。作用機序で見るとアメナリーフよりも後で作用するのがバルトレックスです。

しかし話はそう単純ではありません。

現時点でアメナリーフは帯状疱疹にしか保険適応がありません。

効能・効果を唄うには臨床試験で実証しなければいけません。

個人的には帯状疱疹以外の病気にも効くと思いますが現時点でアメナリーフが使えるのは帯状疱疹のみです。

ゾビラックス時代の1日5回からすると超進化ですが一つだけ注意点があります。

アメナリーフは食後と服用タイミングが指定されています。

食前に服用すると吸収率が6割程度に低下していまうとのデータがあるので食後に指定されています。バルトレックスには指定がありません。

それまで使われていた薬と効果が同等で副作用が副作用が少なかったり服用回数が少ないのが最近の新薬です。

それらの副作用は血液検査をした生化学的な副作用なので患者さんが実感することは無い副作用です。

バルトレックスは腎排泄タイプなので腎臓に負担を掛かります。なので元々腎機能障害があると一気に血中濃度が上昇して副作用のリスクが出てきます。

アメナリーフ最大の利点がその代謝経路の違いです。どうしてもバルトレックス使えない時に代替品があるというのは大きな存在意義が有ります。

もし腎機能低下症の人に普通量を投与すると中枢神経障害が起こったり危険です。

ただアメナリーフは肝代謝系でしかもメジャーな3A4が関与するので飲み合わせには注意が必要となります。

肝代謝タイプですが肝機能障害に応じて用量を調整する必要もありません。

ただ一つだけアメナリーフには一緒に飲んではいけない薬があります。

リファジンという結核の薬とアメナリーフは一緒に服用してはいけません。

アメナリーフの効果が無くなります。

リファンピシンは代謝酵素CYP3A4を誘導するのでアメナリーフがガンガン処理されてしまいます。