【肝細胞がん】レンビマとネクサバールの違い 【腎細胞がん】

レンビマ ネクサバール
一般名 レンバチニブメシル酸塩 ソラフェニブトシル酸塩
日本発売年 2015年 2008年
開発 エーザイ バイエル
効能・効果 ①切除不能な肝細胞癌

②根治切除不能な甲状腺癌

①切除不能な肝細胞癌

②根治切除不能な甲状腺癌

③根治切除不能又は転移性の腎細胞癌

用法・用量 ①1日1回12mg(体重60kg以上)

 1日1回8mg(体重60kg未満)

②1日1回24mg

1~3:1 回400mgを1日2回
高脂肪食 影響無し 食前1時間前から食後2時間は避ける
作用機序 チロシンキナーゼ阻害 チロシンキナーゼ阻害
代謝 CYP3A CYP3A4及びUGT1A9

 

肝細胞癌に対する初の分子標的薬ネクサバール。

 

それまで外科的治療法しかなく化学療法は気休めだったがネクサバールが登場したことにより初めてプラセボに対して有意に全生存期間を延長させることができた。

 

そしてネクサバール登場から7年後の2015年に登場したのが日本のエーザイが開発したレンビマ。

 

この2つはVEGFやPDGFといった癌細胞が栄養を得るために血管を作るのを邪魔したりRETという癌細胞内部の増殖酵素を邪魔して兵糧攻めにする。

 

レンビマの方がネクサバールよりもそれらの受容体に作用する力が強い。

 

 

 


レンビマとネクサバールの直接比較


REFRECT試験
試験デザイン 国際多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相非劣性試験
目的 レンバチニブの有効性、安全性をソラフェニブと比較検討
主要評価項目 全生存期間(OS)
副次評価項目 無増悪生存期間(PFS)他
対象 切除不能な肝細胞がんで、全身化学療法治療歴のない患者
全体 954人
レンビマ群 ネクサバール群
n 478人 476人
全生存期間(中央値) 13.6カ月 12.3カ月
無増悪生存期間 7.4カ月 3.7カ月
無増悪期間 8.9カ月 3.7カ月
奏効率 24.1% 9.2%
副作用
全ての副作用 93.9% 95.2%
高血圧 39.7% 27.8%
下痢 30.0% 41.9%
手足症候群 26.5% 52.4%

奏効率:がんが30%以上縮小した患者の割合

 

 

レンビマはネクサバールに対して1.3カ月全生存期間の延長が認められ非劣勢が証明された。

 

たった一か月しか延長しないのかとガッカリしそうだが他の評価項目を見ると全てがレンビマがネクサバールを上回っており悪化するまでの期間が長いので治療中のQOLが高くなる。

 

更にレンビマは日本人集団に限って観察すると全生存期間が17.6カ月と有望な結果となっている。

 

レンビマは今流行りの免疫チェックポイント阻害薬キイトルーダとの併用試験も進行中であり更なる治療成績の向上が期待される。

 

 

 


手足症候群


 

手足症候群とは手や足の皮膚が炎症や水膨れが生じて著しくQOLを低下させる抗ガン剤の副作用。

 

皮膚にはネクサバールやレンビマが作用するVEGF受容体があるらしくそこを邪魔すると皮膚に炎症が起きてしまう。

 

重症になると歩けなくなったりモノが掴めなくなったりして寝たきりにもなるのでマメなケアが求められる。幸いにも手足症候群は症状が出る前から保湿剤(ワセリンや尿素)で保湿しておくと発現リスクが下がる。もし発症してもそこそこ強めのステロイド外用薬を使えばコントロールは可能

 

だがそもそも論としてそんな厄介な副作用は出ないに越したことはない。手足症候群の発現率に着目するとレンビマとネクサバールのリスクは約2倍。明らかにレンビマの方が手足症候群は少ない。

 

 

 


脂っこいものは避ける必要があるネクサバール


 

レンビマは高脂肪食の前後に服用しても空腹時との大きな違いは認められなかったがネクサバールは高脂肪食の食後に服用すると血漿中濃度が低下するとの報告がある。

 

ネクサバールを服用中の場合、高脂肪食摂取時には食事の1時間前から食後2時間までの間を避けて服用することと添付文書に記載されている。

 

食事制限があり1日2回服用しなければいけないネクサバールより1日1回服用で脂っこいものを食べてもいいレンビマの方が患者にとっては有り難い。

 

 

 

 

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