利休
・・・
何かしゃべってください。
織部
利休
寒すぎて口が動かないんじゃが・・・
せっかく2022年の初日の出を清水寺で見ようと来たんですから元気出してください。
織部
利休
いくら初日の出を見るためとは言え風雪舞う真冬の京都に5時から並ぶのは老体にはきつ過ぎるのう。
朝6時の開門まで中に入れません。他の参拝客も寒さに耐えて待っています。しかしあと少しで貴重なモノを拝めますよ。
織部
利休
貴重なモノってなんぞ?
雪化粧した清水寺です。我々の頭にも雪が積もったということは清水寺にも積もっているはずです。
織部
利休
普段なら夜景じゃと喜んで望遠レンズを取り出すんじゃが寒さと疲れでレンズ交換する気力が無いのう。
今日は望遠レンズでなく広角レンズだけで撮ってみましょう。
織部
利休
ここの様に暗いシーンならいつもは三脚を取り出すんじゃが今日は手持ちじゃのう。
日の出が近いので手持ち撮影でもなんとかなります。
織部
利休
もうちと明るくなるまでその辺で寝ておるから日か出たら起こすんじゃ。
お坊さんも既にお仕事されてるので我々もちゃんと撮りましょう。
織部
ほら、かなり明るくなって雪の清水寺が見えてきました。
織部
利休
屋根に載ってる雪が真っ白というか真っ新で綺麗じゃのう。これは新年早々良いものを拝めたわい。
いちばん撮影しやすい場所が雪で入れなったのは残念ですがここでも悪くない画だと思います。
織部
利休
カメラマンが大集合しておるのう。
みんな朝一番に京都の寒空にも負けず集まったガチ勢ですからポジション争いも熾烈です。
織部
利休
じゃあ清水の舞台にも行ってみようぞ。
雪が積もった清水の舞台も楽しみです。
織部
利休
素晴らしい・・・と言いたいところじゃが誰かが立ち入り禁止なのに入った痕があるのう。
もし足跡が無ければ最高でした。
織部
利休
ここはあの技を使うかのう。ありのままを撮るのが写真じゃから禁じ手に近いんじゃが。
無事に足跡が消えましたね。
織部
利休
ライトルームは便利じゃのう。
では今度は清水寺を真正面から撮りに行きましょう。
織部
利休
では清水の舞台から飛び降りるかのう。よっこらしょっと
高さ13メートルあるんで飛び降りるのはやめましょう。
織部
利休
下から見上げると立派な木造建築じゃのう。地震が心配じゃが。
懸造という耐震性が高い工法で作られているので大丈夫です。
織部
利休
よく見ると舞台の板の裏っ側になにか書かれておるのう。
何かしらの念が込められているんでしょう。
織部
利休
なんて書いてあるか分からんのう、今度来た時は望遠でしかと撮影しようぞ。
さて正面の撮影スポットへ行く前に音羽の滝で願掛けでもしましょう。
織部
利休
滝が三本流れておるのう。
どれか一つだけを選んで願掛けするのが作法だそうです。
織部
利休
どれでも同じなんかのう?
正面右が健康、真ん中が恋愛、正面左が出世とからしいです。
織部
利休
わしの今の願いは暖かい茶が欲しいだけじゃ。
目が覚めるほどキンキンに冷えた水でしたね。
織部
利休
最後に銀世界の清水寺を撮影できて良い人生じゃったのう、完。
今年は始まったばかりです。
織部
利休
寒さと眠たさに打ち勝って来た甲斐があったのう。
これまで雪を撮ることがなかったので雪が京都で積もると聞き来てみましたが正解でした。満足な元旦です。
織部
利休
今シーズンは雪がまだ積もるじゃろうし雪国へ旅をするのも良いかもしれんのう。
雪をテーマにした旅というのも良いですね。
織部