【企業分析】 IGM Biosciences

 

IGM Biosciences(NASDAQ: IGMS)は、遺伝子組換えIgM抗体の開発しているバイオテクノロジー企業。社名と通りにIgM抗体をベースとした抗体医薬品の開発に専念している。

 

白血病治療の成績を確実に1段持ち上げたリツキサンなどの抗体医薬品はIgGをベースにしているが抗原との結合部分が二カ所しかなく結合力が弱い。それに対してIgM抗体は結合ドメインが10カ所もあり大幅な結合力の向上が見込まれる。

 

現時点で最も開発が進んでいるのは再発・難治性B細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした第1相臨床試験が行われているIGM-2323

 

 

候補 作用点 phase 対象疾患
IGM-2323 CD20 x CD3 非ホジキンリンパ腫
IGM-8444 Death Receptor 5 0 固形ガン or 血液ガン
IGM-7354 IL-15 x PD-L1 0 固形ガン or 血液ガン

 

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利休

Phase 0ってなんぞ?

 

まだ人間を対象とした試験を行っていないという事です。

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織部

 

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利休

開発している3つの薬のうち2つはまだ動物実験段階。そして唯一の人間が対象の薬もPhase Ⅰ・・・。この株はかなりリスクが高いのう。

 

製薬会社というと高配当の安定株なイメージがありますがバイオテクノロジー企業はその対極です。

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織部

 

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利休

しかしそんなハイリスク株をみんな欲しがっておるから株価は高値じゃのう。会社の時価総額は現時点で20億ドルもあるのう。

 

もし開発に成功したら20億ドルは安いと思います。免疫系の抗がん剤で一番売れているキイトルーダは年間1兆円売れているので。

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織部

 

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利休

開発に成功したらの話じゃのう。

 

それでは具体的に薬を見てみましょう。

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織部

 

 

 

IGM-2323:CD20×CD3

 

これはIGM-2323だけでなく他の薬にも共通していますが改変する元の抗体はIgMです。

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織部

 

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利休

でかいのう。5つも合体しておる。強敵と戦うときに合体する特撮ロボットのようじゃ。

 

IgG抗体は敵を認識する部分が2つしかないですがIgM抗体は5倍の10個もあります。これがこの会社のキーとなるテクノロジーです。

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織部

 

 

 

IGM-2323は腫瘍細胞の表面に出ている目印であるCD20に対して10カ所が認識して更にCD3というT細胞を活性化するスイッチにも作用する二重抗体医薬品です。

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織部

 

 

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利休

CD20に対する抗体医薬品と言えばリツキサンじゃのう。リツキサンが登場した時は未来感溢れる革新的な新薬じゃったがもう20年前とはワシも年を取るはずじゃ。

 

リツキサンの20年後に登場するんですからそのリツキサンを大きく超える性能が求められます。

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織部

 

 

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利休

リツキサンに対して2323は濃度1000分の1以下で同等の効果を上げておるのう。

 

ただこの試験はin vitro、つまり試験管や疑似生体内での反応なので実際の人体ではない事に注意してください。

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織部

 

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利休

試験管の中ではガンが消えたのに人間の中では効かないことは多々あるしのう。それにしてもこれまで実績豊富なリツキサンとの比較であれば勇気付けられる参考資料じゃ。

 

 

IGM-8444:デス レセプター5

 

 

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利休

deathレセプターて北斗の拳の秘孔?

 

この受容体はがん細胞のアポトーシスを誘導する受容体なので腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー(TNFrSF)のメンバーです。

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織部

 

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利休

要するにその秘孔を付けばガン細胞がひでぶするというわけじゃな?

 

ただこの秘孔の発動条件があります。それは同時に3つ以上の秘孔を突かないといけないというルールです。

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織部

 

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利休

同時に3つの秘孔を付くとかケンシロウでも無理じゃろう。手が二本しかないんじゃから・・・

 

IgG抗体も手が2つしかないので3つ同時押しには向いていません。そこで登場するのが手が10本もあるIgM抗体改変のIGM-8444です。

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織部

 

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利休

手が10本もあるならガン細胞の秘孔も突き放題じゃのう。

 

 

秘孔に対してはやはりIgGよりもIgM抗体の方が親和性が高そうです。これも試験管レベルの話ですが

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織部

 

 

 

IGM-7354:IL-15 x PD-L1

 

IGM-7354はPD-L1という腫瘍細胞の表面に出現する免疫ブレーキに関わるタンパク質とIL-15という自己免疫を高めるインターロイキン-15受容体の2つに作用します。

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織部

 

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利休

PD-L1というとノーベル賞取ったオプジーボのあれかのう?

 

いえ、PD1は免疫細胞に有る方のたんぱく質でPD-L1はがん細胞の方にあります。抗PD-L1薬として市販されているものにロシュのテセントリクやアストラゼネカのイミフィンジがあります。

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織部

 

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利休

それらの薬は数十億ドルに成長するはずじゃ、その2つを更に超えるなら大きな利益が見込めるのう。

 

薬理作用が2つあるからといって1+1=2に素直にならないのが医薬品開発の難しい所ですがIgM抗体にベースが変わっているだけでも抗PD-L1作用が向上している可能性もあり期待しています。

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織部

 

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利休

3つとも新しい治療法として可能性を秘めておるが最終的に医薬品として承認される可能性はこれまでの経験則からして50%以下じゃのう。

 

投資するのは無くなっても問題無いお金で投資しましょう。

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織部

 

 

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