バイエル株 |
ドイツの最大手製薬会社バイエルが急落しました。
織部
利休
バイエルと言えばバイアスピリンやアダラートと言ったロングセラー薬を作っておる老舗じゃのう。
100年以上の歴史がある製薬会社ですがその長い歴史の中でもバイエルにとって大きなピンチが訪れています。
織部
利休
バイアスピリンに大きな副作用が見つかったんかのう?
暴落の原因は医薬品事業でなく農業部門です。数年前にアメリカのモンサントという企業を6兆円近くディールで買収しました。この大きな賭けが大失敗しました。
織部
利休
モンサントはあまり評判がよろしくない企業じゃったのう。ラウンドアップとか・・・
モンサントが販売していたラウンドアップという除草剤に発がん性の疑いがあるということで全米で裁判が行われています。裁判でバイエルは敗訴していて既に保証金として1兆円を用意しています。
織部
利休
製薬会社裁判でも1兆円を超える賠償金というのは破格じゃのう。
そしてその1兆円だけでは済まない可能性があります。いかにバイエルと言えど数兆円まで補償金が膨らむと経営が危機に陥ります。
織部
利休
せめて賠償金額が確定していれば安心じゃが延々と裁判で負けて金を取られるんじゃ株主は不安じゃのう。
そんなモンサント買収の失敗に加えてコロナが発生したので弱り目に祟り目です。2021年はそれまで設定していた利益目標を達成できないと発表したので株価はマイナス13%に大きく下げました。
織部
利休
そもそもモンサントの買収金額がバイエルにとって割高じゃったのう。そのせいでコスト削減するために子会社や事業を売却するらしいし、製薬会社としては大きな痛手じゃ。
製薬会社がバイオテクノロジー企業を買収してその開発中の薬がぽしゃって投資金がパーになることは良くありますがそれはリスクリターン考えると納得です。
織部
利休
失敗してもゼロになるだけじゃからのう。モンサントのようにマイナスが延々と続くのは最悪じゃ。
バイエルの稼ぎ頭は血液サラサラのイグザレルトで2019年に約5000億円売れています。他にも眼科用のアイリーアなど魅力的な資産はあるのでバイエル株がもう一段大きく下げたらギャンブルしてもいいかもです。
織部