ビスホスホネート製剤 | |||
第2世代 | 第3世代 | ||
一般名 | アレドロン酸 | リセドロン酸 | ミノドロン酸 |
商品名 | フォサマック | アクトネル | ボノテオ |
製薬会社 | MSD | EA | アステラス |
ボナロン | ベネット | リカルボン | |
帝人 | 武田 | 小野 | |
効能効果 | 骨粗鬆症 | ||
× | 骨ベーチェット | × | |
daily | 〇 | ||
weekly | 〇 | 〇 | × |
monthly | × | 〇 | 〇 |
妊娠中 | △ | × | |
推奨グレード | |||
アレドロン酸 | リセドロン酸 | ミノドロン酸 | |
骨密度 | A | A | A |
椎体骨折 | A | A | A |
非椎体骨折 | A | A | C |
大腿骨骨折 | A | A | C |
ビスホスホネート製剤は骨粗しょう症の標準薬。特徴はP-C-Pで2つのリン原子が炭素を挟んだ共通基本骨格。人体の骨はリン酸カルシウムだからリン原子。
骨が壊されると同時に新しい骨が作られる事を骨リモデリングという。
通常は
新しく作られる骨芽細胞=骨が吸収される破骨細胞
しかし
骨粗鬆症だと
新しく作られる骨芽細胞<骨が吸収される破骨細胞
ビスホスホネート製剤は破骨細胞を邪魔して壊される骨量を減らすことで骨粗しょう症に効果がある。
薬理作用的には破骨細胞でメバロン酸代謝経路のイソペンテニルピロリン酸からファルネシルピロリン酸への合成経路を阻害して骨吸収を抑制する。
この過程においてイソペンテニルピロリン酸が増加した結果γδT細胞を活性化し炎症性サイトカインを産生を促進することにより発熱などの副作用(急性期反応:APR)が起こる。
1日1回服用タイプより週一や月一など一回高用量タイプにAPRは起こりやすい。
骨粗しょう症は服用継続が治療成果を大きく作用する。服用方法が起床時の空腹時、そして服用後は30分横にならないなどの制約があるのでコンプライアンス不良が問題となる。
その解決策として一週間や一ヵ月に1回服用すればいい便利な製剤が登場する。ビスホスホネート製剤は血中濃度が低下しても一度骨に沈着すると薬効を発揮するので一ヵ月に1回服用製剤が可能となった。
注射薬だが1年に1回投与のリクラストもある。
有名な副作用である食道や咽頭の荒れは側鎖に窒素原子がある場合は起こりやすい。窒素が無いのは第一世代ビスホスホネート製剤ダイドロネル
だがダイドロネルは第二世代以降と比較して破骨細胞抑制能力が1000分の1以下。現在のはほぼ使われていないのでこのページでは取り上げない。
- 第二世代ビスホスホネートで世界中で使用されエビデンス豊富
- ステロイド骨粗しょう症にも効果
- ビタミンD不足患者にはビタミンD製剤との併用が望ましい
- 点滴製剤がありコンプライアンス不良患者にも
- ゼリー製剤もあり嚥下困難な高齢者でも服用可能
- 35mg錠と35mgゼリーは薬物動態学に同等
- 妊娠中でも使用する可能(禁忌ではない
- 非椎体、大腿骨近位部の骨折抑制が証明されている
- 側鎖がピリジニル基
- daily、weekly、monthlyと製剤ラインナップが充実
- 骨ベーチェット病に保険適応がある
- 他の二剤と比較してタンパク結合能が低く分布容積が大きい
- 非椎体、大腿骨近位部の骨折抑制が証明されている
- 75mg錠は4週間に1回服用
- 臨床薬の中で最も強力な破骨細胞抑制効果
- 側鎖がイミダゾピリジン基
- 疼痛改善の効果も報告されている
- 他のビスホスホネート製剤無効例にも効果ありの場合
- 非椎体と大腿骨の骨折抑制で他剤より推奨度が劣る
- ↑は臨床試験が行われていないためであって劣勢が証明されているわけでもない
- 50mg錠は1ヵ月に1回服用