喘息治療の第一選択薬
それが吸入ステロイド薬。
ステロイド=副作用が怖い
と思うかもしれないが内服ステロイドとは違い吸入ステロイドには全身性の重篤な副作用はほぼ出ない。
局所では喉荒れなど軽微な副作用が出るがうがい等で対処可能。
なので喘息治療におけるステロイド吸入薬は明らかにメリット>デメリットなので第一選択薬となっている。
そんな吸入ステロイドの吸入方法には2つ(オープンマウス法とクローズドマウス法)ある。
どちらが優れているかを検証した試験は無い。
しかし国内の臨床試験はクローズトマウス法で行っているのでクローズドマウスで使うのが無難
喘息は様々な炎症性物質が体内で作られて症状が起きる。
であるならばその物質を作らせなければ良い。
体内でタンパクを作る時には必ずその設計図DNAを元に作られる。
しかしDNAは普段ヒストンというものに絡まって存在しておりDNA複製するときにはそこの絡まりを解かなくてはならない。
マイナスに帯電しているDNAとプラスに帯電しているヒストン、そこにアセチル化という修飾を加えると中性に変化してプラスとマイナスの差が少なくなり結合力が弱まる。
DNAとヒストンをほぐすのかといえば静電気的な力を弱めるという方法。これがヒストンのアセチル化。
その解かれたDNAを元に炎症性物質が合成される。
ステロイドは核内へ移行してヒストントランスフェラーゼというものを邪魔して間接的にヒストン脱アセチル化酵素を増やす。
ステロイド吸入薬は炎症性物質合成に必要なアセチル化を脱、つまり邪魔するのだから抑制的に働き炎症を抑える。
- 噴霧粒子が他より小さい(1.1μg)ので肺末梢に到達しやすい
- なので息こらえをしなくても肺内沈着率が高い
- エタノールが含まている
- 吸入ステロイド薬の中では効果出るのが早い
- アダプターは、少なくとも週1回流水か温湯で十分に洗浄
- 試し噴霧は2回
- 粒子径が大きい(エアゾール:2.8μg ディスカス:5.2μg)
- 乳糖が含まれているので咳が起こりやすい
- しかし乳糖のおかげで吸入した感が残る
- エタノールは含まれていない(ディスカスもエアゾールも
- 昔からあり、デバイスの種類や容量も多く使いやすい
- ディスカスはカウンターが付いているので残薬が分かりやすい
- エアゾールは残薬が分からない
- アドエア(フルタイド+セレベント)へのステップアップとして
- 症状が改善したらアドエアからフルタイドへステップダウンも
- ステロイド受容体への結合率が高く1日1回が可能
- 末梢気管支への到達率が高い
- エアゾール粒子が細かい(0.9μ)ため肺へ到達率が高く肺の中に長時間滞留する性質を持つため、1日1回(高用量の場合は2回)
- 1日4吸入になったら2回に分ける
- エタノールが含まている
- 肺内で加水分解を受けて活性代謝物になるプロドラッグ
- 肺組織へ到達してからステロイドとして働くので口腔カンジダのリスクが低い
- アダプターは柔らかい乾いた布 or ちり紙で拭く(水洗いは×
- 無水エタノールが含まている
- 試し噴霧は3回
- タービュヘイラーというグッドデザイン容器(容器に特許)
- 刺激感が無い。
- しかし吸った感じも無いので好き嫌いが分かれる
- シムビコート(パルミコート+オーキシス)へのステップアップとして便利
- シムビコートのステロイド成分(パルミコート+オーキシス=シムビコート)
- 症状が改善してきたらシムビコートからパルミコートへステップダウンも
- ネブライザーという機械でパルミコート吸入液を使用できる
- 妊娠中の第一選択薬(FDAの安全性カテゴリーで最も高いB
- 妊娠中と小児にはこのパルミコートがおススメ
- 粒子径が小さい(平均粒子径が2μm)
- 肺への送達率が約40%と高い
- 吸入時の血中移行性が1%とかなり低い
- 投与開始1週目から起床時のピークフローを有意に改善
- ツイストヘラーは、キャップ開閉操作のみで1回吸入量が装填
- ロックアウト機能がある(残薬ゼロになるちキャップが回らない
- 乳糖が少なく咳が出にくい
- 点鼻ステロイドであるナゾネックスと同じ主成分
- 真っすぐ立てて充填
- 1日1回の吸入ステロイド薬(最大のセールスポイント
- オルベスコは1~2回で使えるがアニュイティは1日1回と限定
- レルベア(アニュイティ+β2刺激薬ビランテロール)へのステップアップとして
- 症状が改善してきたらレルベアからアニュイティへステップダウンも可能
- 乳糖が含まれている
- アラミスト点鼻液の主成分と同一