株式投資をする上で何点かチェックするポイントがある。
その中でも絶対に欠かせないのが
株価収益率(Price Earnings Ratio = PER)
この数字が大きいか小さいかでその株がお得かどうかを判断する。
株価というものは利益以外に成長期待も含まれている。
成長が期待できない業界のPERは低い(自動車や大銀行
成長が期待できる業界のPERは高い(ハイテク等
トヨタ自動車の平均PERは10倍以下の事が多い。
これは市場がもうこれからトヨタが大きな成長をするとは考えていないから
対照的なのは社員の平均年収が2000万円で有名なキーエンス
キーエンスの株価収益率はこれまで30倍以上で推移している。
これはキーエンスがまだまだ成長すると市場が予想しているから
2015年~2020年
キーエンス株は常にPER30倍以上の割高で取引きされているので買いに入るのは勇気がいる。
逆にトヨタ自動車はPER10倍以下で推移しているので割安感があり買いやすい。
しかし株価の上昇はキーエンスがトヨタ自動車を圧倒している。
異業種を比較してPERが低いから良い、高いから悪いとは単純に判断できない。
A社の年間純利益は1億円
発行済株式数は100万株
すると1株当たりの純利益(EPS)は100円となる。
株式相場に参加している人達はこの一株益100円という数字を一つの投資判断として使っている。
東証一部に上場している安定性がある大企業であるならば
株価収益率=約15倍
15倍程度がこれまでの経験則として平均となっている。
この数字は理論的なものではなく市場の合意形成
アダムスミスの見えざる手に近い
自然に収斂した数字
なので絶対的な数字ではないのだが株式市場に参加しているプレイヤーの共通認識として15倍という数字はコンセンサスを得ている。
PERは時価総額÷純利益とも表される。
PER15倍ならその会社を買収して15年間で投資資金を回収できるという計算。
個人投資家が株を買う時、その会社を買収するつもりで考えたら良い。
投資して何年したら元が取れるのか、それがPERという数字で表されている。
例のA社株にこの数字をあてはめて考えると
もし市場で取引されているA社の株価が2000円だとPER=20倍(2000÷100)で割高
もし市場で取引されているA社の株価が1000円だとPER=10倍(1000÷100)で割安
つまり
株価収益率は低い方がお得
ただし・・・
一株益(EPS)が100円というのは予想である。
去年と一昨年も100円だから今年も100円だろうと市場関係者が予想して、それに基づいた株価が形成されている。
だが未来は誰にもわからない。
2020年に全世界を襲ったコロナショック。
それまで順調に毎年利益を出していた会社もコロナショックを受けて利益が激減する。
すると利益が一気に無くなると1株益も下がってしまう。
コロナショックで純利益が前年比10%になり1株利益が10円に落ち込んでしまう
すると
株価収益率=株価1500円÷10円=150倍
平和な時代だと20倍で割高だったのが一気に150倍に悪化。
PERが150倍というのは高すぎるので買収しようとは思えない。
だがもし・・・
コロナウイルスに対する特効薬やワクチンが開発されて問題が解決したらA社の経営は急回復する。
PERが15倍で常に推移するという仮定ならコロナショック後の一株益10円に対して株価は15倍だから150円
投資したお金が10分の1になったら投資家はパニック
だが底値で更に買っておけばA社がいつかコロナショック前の水準まで回復したら大きな利益が得られる。
どのタイミングで投資するにしてもこのPER(株価収益率)という数字は外せない。
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