師匠はもうコロナワクチンを打ちましたか?
織部
利休
ちゃんと二回打ったぞい。
副作用とか出ましたか?
織部
利休
40度近い熱と腕が上がらなくなったり何とか致命的で済んだわい。
お疲れ様です。そしてそんな師匠に残念なお話があります。
織部
利休
なんじゃらほい?
二回ワクチンを打ってもコロナ変異株に対する効果がイマイチということで3回目を打つ必要が出てきました。
織部
利休
あんなに苦しい副作用を耐えたのにもう一回打てとな?
ドイツやイギリスやスウェーデンでは今秋から高齢者など特定層を対象に3回目のワクチンを摂取開始予定です。
織部
利休
ワクチンて打つ前は一生モノだと思ってたのに3回も打つとかキツイのう。
日本の河野行政・規制改革相も来年に三回目を打つ必要があるかもと言っています。
織部
利休
もうキリがないのう、お先真っ暗じゃ。
ただワクチンを製造する会社にとっては3回目のワクチン接種は大きなビジネスチャンスとなります。
織部
利休
金の匂いがするのう。
師匠は二回ワクチンを打ちましたがもう一回打ちたいですか?
織部
利休
No Thank you
咄嗟に英語になるくらいの勢いでお断りですね。
織部
利休
一回目より二回目のほうが副作用がきつかったんじゃからこれでもう一回打つとか怖すぎるんじゃ。
普通に考えれば3回目の方がキツイと思います。インペリアル・カレッジ・ロンドンの免疫学教授ダニー・アルトマンさんはmRNAワクチンは回数を重ねる毎に副反応が強くなると言っています。
織部
利休
じゃあmRNAワクチンじゃないやつを3回目に打てばいいんぢゃ?アストラゼネカのやつはウイルスベクターじゃろう?
ウイルスベクターワクチンにも繰り返し使用することには問題点があります。ウイルスベースなのでワクチン自体に対して免疫ができてワクチンの効果が弱くなるとの示唆される研究があります。
織部
利休
mRNAワクチンもウイルスベクターワクチンも頻回投与には向かなそうじゃのう。
そこでmRNAワクチンでもウイルスベクターワクチンでもないノババックス製ワクチンNVX-CoV2373の登場です。
織部
利休
どんなワクチンなんじゃ?
SARS-CoV-2の最初の株の遺伝子配列から設計されたタンパク質ベースのワクチン候補です。組換えナノ粒子技術を用いてコロナウイルスのスパイクタンパク質に由来する抗原を生成します。
織部
利休
・・・
サポニンベースのMatrix-M™でアジュバントすることで、免疫反応を強化しています。
織部
利休
なるほど、全く解らん。
色々な事を言っていますがベースとなる技術は数十年間使われている技術でmRNAに様な革新的なモノではありません。だからこそ、枯れた技術だからこそシッカリした効果が期待できます。
織部
- COVID-19のオリジナル株に対して96.4%の有効性
- アルファ変異株に対して86.3%の有効性
- 65歳以上の成人で88.9%の有効性
- リスクの高い合併症を持つ成人では90.9%の有効
NVX-CoV2373の現時点でエビデンスです。このワクチンの長所は変異株に対する有効性が証明されていることです。
織部
利休
既に東京を含め世界の都市では変異株が席捲しておるから変異株に対する効果が無いと意味が無いからのう。
現時点でのエビデンスはアルファ株に対する有効性なのでデルタ株に対しての有効性は未知です。ただそれはファイザー製もモデルナ製も同じことです。
織部
利休
そうなってくると同じものを3回打つ副作用リスクを考慮すると全く新しいノババックスを3回目に選ぶという選択肢もあり得るのう。
- VX-CoV2373は、2℃~8℃で保管できるから世界中の冷蔵庫でOK
- インフルエンザ混合ワクチンNanoFlu™/NVX-CoV2373
いま使われているファイザーワクチンは超低温で保管する必要があります。
織部
利休
超低温て何度?
マイナス80度です。世界の最低気温記録が南極のマイナス89度なのでそれよりは暖かいですが普通の施設ではそんな高性能な冷凍庫ありません。
織部
利休
先進国なら何とかなるじゃろうがアフリカとか東南アジアとかじゃ保管方法が難しそうじゃのう。
その点ノババックスのワクチンは普通の冷蔵庫でOKなので低所得者国で扱いやすいです。
織部
利休
先進国だけではこのパンデミックは終わらんから後進国に行き渡らせ易いノババックスワクチンは有用に思えるのう。
もう一つNVX-CoV2373にはいい点があります。それはインフルエンザワクチンとの混合ワクチンNanoFlu™/NVX-CoV2373の臨床試験での有望な結果です。
織部
利休
なぜにインフルエンザワクチンと合体するんかのう。
インフルエンザはほぼ毎年流行します。そこに今はコロナが流行っているので一石二鳥なワクチンは利便性を考えても売れると思います。
織部
利休
確かにこれからコロナがインフルエンザの様に毎年の流行となるのならワクチンもセット販売でお得じゃのう。
保管方法が簡単でおまけにインフルエンザにも効くというのがノババックスの混合ワクチンです。Fortune Business Insightsによると、世界のインフルエンザワクチン市場は年平均成長率7.7%で、2026年までに73億ドルに達すると予想されています。
織部
利休
性能的には良さそうじゃが最終的に売れなかったら意味が無いのう。売れ行き見通しはどんな塩梅じゃ?
2021年第3四半期末までに製造能力を1億回/月に、第四四半期までに1.5億回分まで製造能力を引きあがると会社は言っています。
織部
利休
そういえばワクチンて一回当たりいくらするんじゃろうな?完全無料じゃから想像が付かん。
契約は非公開なのでファイザーもモデルナも解りませんがそれら2社の平均価格は1回あたり20ドル前後だと個人的に思います。
織部
利休
じゃあ控えめにノババックスのワクチン価格を1回10ドルに設定して一ヵ月1億本販売すると10億ドル/月の売上じゃのう。1年間なら120億ドルじゃ。
コストは一回分あたり2ドル弱らしいので(10-2)ドル×12億本で96億ドルの粗利益あたりですかね。
織部
利休
ざっくり1兆円の粗利益かのう。
ファイザー製のワクチン売上が年間260億ドル予想なので大きく外してはいないはずです。
織部
利休
粗利益100億ドルの会社の時価総額が180億ドルとは安く感じるのう。
全てが上手く行ったらの皮算用ですから。それにノババックスは規模がファイザーに比べて小さいので全てを自社工場で造れるわけではないんです。
織部
利休
どこかに委託するんかのう?
日本だと武田薬品に委託します。韓国ならSK Bioscience社が製造を担当します。なのでそれらの委託料を差っ引く必要があります。
織部
利休
あのコミナティでもファイザーとバイオンテックが利益折半しておるんじゃからやむなしじゃのう。
ただノババックスは基本的に権利の大部分を保有しているので利益の大半は自社になります。折半ではないです。
織部
利休
アップルはiPhoneを委託製造しておるが利益のほとんどはアップルのものじゃしのう。
何にしてもリスクリターンを考えると現在のノババックス株には魅力を感じています。
織部