コロナウイルスの影響は世界中の航空会社に及んでいますが日本のJALとANAにも大きな影響を与えています。
織部
利休
両社とも運賃が半額になる株主優待が人気じゃのう。
JALもANAも配当は無しになりましたが株主優待は継続するようです。
織部
利休
株主優待で考えるとANAはそのグループ会社で使える所が沢山あっていいのう。
ANAグループのホテルの宿泊代が最大20%オフなどお得です。しかしそれらの優待は会社に余裕があっての事です。
織部
利休
経営が切羽詰まってきたら株主優待も亡くなる可能性があるのう。
株主優待制度そのものが日本特有でそれを目当てに投資すると痛い目みることがあります。
織部
利休
しかし優待目当ての投資家にとっては株数を増やすチャンスじゃのう。
潰れなければ、の話ですがね。
織部
利休
潰れそう?
航空会社は会社を運営するのに巨大な資本が必要です。
織部
利休
ジェット燃料代とかパイロットの人件費とかお金が掛かりそうなものが沢山あるのう。
JALもANAも売上に対するコスト(燃料代とか)が75%以上かかっています。それだけでなく社員に支払う給料などが含まれる一般管理費も考えると利幅がかなり少なくなります。
織部
2020年3月度の決算比較 | ||
JAL | ANA | |
売上高 | 1兆4,112億円 | 1兆9,742億円 |
コスト | 1兆761億円 | 1兆5,834億円 |
一般管理費 | 2,344億円 | 3,023億円 |
純利益 | 534億円 | 276億円 |
現金同等物 | 3,291億円 | 2,386億円 |
自己資本比率 | 58.9% | 41.4% |
2020年3月期決算時点
利休
ANAは売上約2兆円じゃがコストと一般管理費を足すと1兆8,800億円じゃから利益は少ないのう。
直近の財務諸表を見比べるとJALの方がマシな気がします。手元にある現金同等物もJALの方が多いですし。
織部
利休
2社とも同じくらいの事業規模かと思っていたがANAの方が一回り売り上げもコストも大きいのう。
ANAは傘下に総合商社があったり不動産会社があったりして航空事業だけでなく手広くやっていますからその影響もあります。
織部
利休
JALは売上の8割が旅客じゃがANAの場合は旅客が5割弱で微妙に事業内容が違うのう。
旅客は3密なので貨物や他の事業があるANAの方がコロナにおいては事業耐性があるかもしれません。
織部
利休
しかし両者の決算はみるとこれからの1年は気が重いのう。
コロナの影響が現れたのは今年に入ってから、2月以降ですがそれで2020年通期の決算で大きな影響が出ています。ANAは売上高こそ4.1%減少で済みましたが営業利益が63.2%の大きな減少となりました。
織部
利休
たった1、2か月の影響でそこまで利益が落ちるんなら1年間影響出たら大赤字じゃ。
両社ともコロナの影響で運行本数をかなり減らしているのでそのままダイレクトに売上が減ります。それに対して運営コストは減数に伴う燃料費代の節約などを考慮しても年間に必要なコストが1兆円を下回ることはありません。
織部
利休
ANAの赤字が年間1兆2000億円としたら毎月1000億円が無くなるということかのう?
ANAの手元資金が2,386億円なので自前の手元現金で賄えるのは2~3か月です。なのでANAは1兆3000億円の融資枠を銀行団に要請しています。
織部
利休
それだけあれば1年は会社が耐えられるのう。
JALも政府支援は求めていますがANAほど多くを求めてはいません。これは2013年に一度経営破綻した時に借金7400億円の棒引きと3000億円の公的資金注入によってANAより更に財務体質が良いからです。
織部
利休
個人的にはJALの方が良さそうに見えるわけじゃが、10年もしないうちにまた政府の力を借りる事になる企業に投資はしにくいのう。
日本政府は意地でもこの2社を潰さないでしょう、しかし既存株主の価値が守られるかは微妙な所です。
織部
いつもブログを拝見させていただいております。以前JALの上場廃止でえらい目にあったので、今回のコロナショックではリバだけ取って優待目的で持っていた分も早々に売り払いました。
JALが潰れるわけない
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました(遠い目