手を出したら人生終わりと言われる先物取引の始まり

堂島米市場

 

素人は手出し無用
手を出したら家や命を失う

 

そんな恐ろしいイメージがある先物取引

しかし本当の役目はむしろ逆

 

不安定な市場価格を安定させることが目的で開発された金融商品。

 

その仕組みが誕生したのは江戸時代

場所は天下の台所である大坂

そこで取引されていたもの

 

それは日本人のソウルフードであるお米。

 

 

江戸時代の通貨はお米

米俵

 

お米の重さの単位である石高

石高は1 石あたり150kg

 

それを貨幣価値で表現することは難しい。なぜならお米の値段は常に上下する。しかし換算する必要はない。

 

なぜなら庶民にとってはお米こそがお金

 

時代劇だと光り輝く小判が江戸時代の通貨のように描かれている。

小判

だがそんな大きな小判を日常生活で使うことはない。小判は小さくても現代価値に直すと5万円はするのでお釣りを用意するのも大変でお店からしたら迷惑。

小判を受け取って有難がるのは・・・

 

お主も悪よのう」でお馴染みの悪代官とか

 

では庶民にとっての身近なお金に等しいものとは何か?それが

 

 

年貢の納め時に納めるものは小判ではなくお米。

大名にとってもお米がお金代わり。なぜなら税金である年貢をお米で受け取るから。

 

江戸時代の公務員である武士も受け取るお給料はお米。

サラリーマンのサラリーは語源が塩(salt)。

塩

古代ローマの兵士は給与の一部が当時貴重品だった塩。

 

お米も塩も人間に必要不可欠

塩おにぎりは美味しい。

 

なのでそれらはお金として扱われた。

 

 

お米券という証券の誕生

大名は農民からお米を税金として徴収する。

そのお米を市場で売却することで初めてお金になる。

 

江戸時代当時で最もお米が取引されていたのは大阪の堂島米会所。日本全体の4割に当たるお米が大坂で取引されていた。

 

では堂島米会所に日本中からお米が実際に運ばれてきたのかと言うとそうではない。

お米は小判と比べかさばり持ち運びには適さない。持ち運ぶだけで人を大量に雇用しなければならない。お米を保管する倉庫代も発生する。

 

なので大名はとあるものを販売する

それが

 

 

お米券は1枚当たり10石(米の重量にして約1.5トン)の米俵と交換できる金券。1枚が1500Kgなので大家族でも安心。

 

商人が市場でお米券を購入して大名屋敷にお米券を持っていくと実際のお米と交換してくれる。

堂島までお米を持っていかなくてもお米の取引が完了できる素晴らしい金融商品が完成して江戸時代の商取引は興隆を極めた。

 

めでたしめでたし

 

では終わらなかった。

 

人は更に便利さと利益を求める。

 

 

お米券が更に進化して先物相場が作られた

米先物取引

 

江戸時代ではよく飢饉が発生した。

そういったイベントが発生するとお米の価格は暴騰する。

逆に豊作だと市場にお米が溢れ値段が下がる。

 

お米を作る側も受け取るほうもお米の価値の変動は実生活に大きな影響をもたらす。

 

そうした影響を小さくする方法はないか?という考えのもとに発明されたもの、それが

 

先物

 

先物とは

決められた商品を
決められた日時に
決められた価格で

 

売買する約束

 

(例)

お米券を売るお代官(藩)側で考える。

 

これまでお米の価格は毎年1,000円だった。

これからも1,000円で売れたら価格は安定して売上が計算できる。

しかし来年はお米の価格が500円になるかもしれない。

未来は誰にも予測できない。

 

であるならば現時点で来年に売るお米分を取引価格1000で売っておけば良い。

 

こうすれば来年のお米市場がどうなっていようが100で売れる。

先物を売ることで損を減らせる。

 

 

逆にお米を安く仕入れたい側で考える。例えば

江戸時代に始まったとされる寿司屋。

susi

すし屋はシャリの元であるお米を安く仕入れたい。

安ければ安いほど儲けが大きくなる。

 

これまではお米を毎年1000円で仕入れていたがこれからどうなるのかはわからない。

飢饉が発生して2年後の米価格は1200円に上がるかもしれない。そうなると利益が無くなり生活が苦しい。

であるならば現時点で2年後に使うお米を1000円で買っておけば良い。

もしお米の価格が1200円に上がっても寿司屋は1000円で仕入れることができる。

 

こうしたお米を実際に取り扱っている人たちのリスクを減らすために開発された商品が先物取引。

 

先物取引は変動を抑えて安全性を高める便利な金融商品。正しく利用すればとても有益性が高い金融商品。

 

しかし

 

人間とは業の深い生き物である

 

 

 

 

続く

 

 

 

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