Clovis Oncology:開発していた新薬がやっと承認されたのに株価が暴落したワケ

Clovis Oncology Inc

 

Clovis Oncologyはアメリカのコロラド州ボルダーに拠点を置く小型製薬会社。

FDAに承認された薬はある種の卵巣がんや前立腺癌に効果が認められている抗がん剤ルカパリブ。

 

 

ルカパリブは新規作用機序であるポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の経口低分子阻害剤でありそれまで最善の治療を行っても再発した卵巣がんに対して用いられるセカンドライン薬として2018年4月に承認された。

 

そんな革新的な新薬が承認されたわけだから株価は当然・・・

 

 

新薬が承認されて株価が暴落した訳

 

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利休

株価を見ると承認されてからだだ下がりなんじゃがどういうことじゃ?せっかく新薬が完成したのに・・・

 

確かにルカパリブはそれまで無かった画期的な作用機序を持つ新薬です。それは正しいのですが情報が不足しています。

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織部

 

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利休

なんの情報?

 

英国の巨大製薬会社アストラゼネカも同じ作用機序であるPARP阻害薬リムパーザ(一般名:オラパリブ)をほぼ同時期に発売したんです。つまりイバル薬が市場に存在したわけです。

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織部

 

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利休

ライバル薬を販売してるのは売上が数兆円もある製薬会社じゃから販売力が圧倒的に違うのう。

 

アストラゼネのリムパーザは日本でも承認されているので後発組としてルカパリブを日本で発売しても売上は芳しくないないでしょう。薬の性能としては大差無ければ最初に市場へ投入した方がシェアを取ることができます。

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織部

 

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利休

せっかく大金とリスクを賭けて新薬開発に成功してもライバル会社との競争に負けたらバッドエンドということじゃのう。

 

 

ライバル薬は大きなリスク要因
プロトンポンプ阻害薬
オメプラール パリエット タケプロン

 

例えば世界初の胃酸分泌抑制剤PPIはアストラゼネが開発したオメプラゾールです、しかしすぐに構造を少しだけ変えたタケプロンやパリエットが出てきて競争になりました。真のオンリーワンな薬はかなりレアな存在です。

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織部

 

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利休

バイオ株投資はそもそも薬として承認される確率が低いわけじゃが他にもリスク要因があるんじゃのう。ライバル薬の存在は意識しておいた方が良いのう。

 

ただライバル薬も臨床試験中でどちらの薬が良いのかを判断するのは至難の業です。比較しようにもデータが揃わないですし。

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織部

 

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利休

直接新薬を比較してくれたら話が早いんじゃがのう。

 

お互いの製薬会社にとってデスマッチとなってしまうので新薬同士の比較は行われません。なのでプラセボや既存治療法との比較になるわけですが試験デザインが異なるので比較が難しいのです。

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織部

 

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利休

評価項目は同じでも対象となる患者さんが異なる事があるのう。

 

リムパーザはPROfound試験で客観的奏効率(ORR)が50%とルカパリブのTRITON2試験でのORRで出た44%を上回っています。しかし微妙に試験デザインが異なります。

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織部

 

リムパーザの試験はタキサン系抗がん剤が無効だった患者さんを除外しています。それに対してルカパリブの試験はタキサン系無効患者も含まれています。

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織部

 

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利休

より厳しい条件だった臨床試験のルカパリブでORRがリムパーザより僅かに6%劣るという結果は悪くないのう。

 

その辺りの評価が見直されたりオプジーボとの併用試験が成功したら株価が上がる可能性もあります。

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織部

 

新薬の承認前がゴールかもしれない。

 

バイオベンチャー株への投資を考える場合は勿論開発している薬が承認されるという事を目標にします。しかし承認される前の時点でその会社の価値である時価総額(発行済株式数×時価総額)が新薬承認後に想定されるそれを超えたら株式を売却してもいいかもしれません。

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織部

 

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利休

確かにクロビス株じゃと二回100ドルまで迫っておったのう。これまで新株発行したり単純に比較はできんが今の時価総額6億ドルの10倍、つまり60億ドル以上はあったわけじゃな。

 

株価の動きがルカパリブ一つだったことを考えると時価総額60億ドルまで上昇した時点で株式を売却しても良かったかもしれません。結果論ですが。

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織部

 

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利休

イーライリリーに去年買収された製薬会社Loxo Oncologyは80億ドルで買収されたわけじゃがその時点で有望な抗がん剤を3つも持っておったのう。

 

抗がん剤一つだけのポテンシャルだと時価総額50億ドルあたりが妥当かと個人的には思っています。なのでルカパリブ1つだけの期待で時価総額60億ドルまで上昇した時点で売り抜けても良かったと思います。

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織部

 

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利休

新薬に対する評価は承認前が一番光り輝くのう。

 

 

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