【銘柄分析】 大正製薬:リアップよりも大事なモノ

 

大正製薬といえばリポビタン、パブロン、リアップという3本柱

 

特にリポビタンシリーズは2000年頃に年間売上1000億円を達成したOTCとしては大ヒット商品。

だがリポビタンシリーズはそこから売上が下落し2017年の売上は547億円と半減。熱い漢たちが「ファイト一発」と絶叫するCMも時代にそぐわないと爽やか路線に変更。

 

栄養ドリンク飲んでハードな仕事を乗り切るという時代ではないのかもしれない。

 

そんな事情もあり大正製薬ホールディングス株価は2018年に付けた最高値から4割下落している。

 

 

 


歴史


1912年:石井絹治郎が大正製薬所を設立

 

1927年:鎮咳去痰薬<パブロン>発売

最初のパブロンは総合感冒薬ではなく咳止め。

 

1948年:社名を「大正製薬株式会社」に改称

 

1955年:風邪薬「パブロン」シリーズ発売

 

1960年:鎮痛剤「ナロン」シリーズ発売

国内初の3層構造

 

1962年:リポビタンD発売

ファイト一発

 

1966年:東京証券取引所第1部上場

1978年:「大正漢方胃腸薬」「大正胃腸薬」発売

 

1979年:筋弛緩剤リンラキサー(一般名:クロルフェネシンカルバミン酸エステル)発売

筋弛緩剤といってもサスペンスドラマに使われる怖い方ではなく肩凝りや筋肉痛の薬

 

1980年:躁病治療薬リーマス(一般名: 炭酸リチウム)発売

リチウムはスマホのバッテリーにも使われている金属

 

1984年:胃薬ソロン(一般名:ソファルコン)発売

 

1987年:セフェム系抗生物質トミロン(一般名:セフテラムピボキシル)発売

 

1989年:昇圧剤メトリジン(一般名:ミドドリン塩酸塩)

透析後の低血圧等に使われる

 

1991年:マクロライド系抗生物質クラリス(一般名:クラリスロマイシン)発売

睡眠薬ベルソムラとは併用禁忌なので注意

 

1999年:発毛剤リアップ(一般名:ミノキシジル)発売

ミノキシジルを開発したのはアップジョン(現ファイザー

 

2001年:鎮痛剤ロルカム(一般名:ロルノキシカム)発売

 

2002年:大正富山医薬品株式会社を設立

 

2007年:抗菌剤ジェニナック(一般名:メシル酸ガレノキサシン)を開発

販売はアステラス製薬

 

2008年:β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質ゾシン(一般名:タゾバクタム, ピペラシリン)発売

 

2011年:骨粗鬆症治療剤エディロール(一般名:エルデカルシトール)発売

アルファカルシドールよりも骨折リスクを軽減する

 

2013年:中性脂肪異常改善薬エパデールT(一般名:イコサペント酸エチル)発売

魚の油だがなぜか医師会が猛烈に市販化反対

 

2014年:糖尿病治療薬ルセフィ(一般名:ルセオグリフロジン)発売

 

2015年:ロコアテープ(一般名:エスフルルビプロフェン・ハッカ油貼付剤)

内服鎮痛薬フロベンの光学分割体

 

 

 


財務分析


売上高

ビオフェルミン製薬やヴィックスの販売権を得てリポビタンの不調を補っている。

 

営業利益
決算月:3月 単位:億円

 

純利益
決算月:3月 単位:億円

 

医療用医薬品とセルフメディケーションの売上比率
決算月:3月 単位:億円

医療用医薬品では抗生物質、合成抗菌薬を開発しておりクラリス、トミロン、オゼックス、ジェニナック、ゾシンと臨床でよく使われているラインナップがそろっている。

しかしジェニナック以外は特許が切れており売上は年100億円未満。クラリスは最盛期に271億円を売上げたが2017年は53億円と大きく落ち込んでいる。

 

売上TOP5(2018年度)
決算月:3月 単位:億円

 

大正製薬で一番売れている商品が20年で売上半減したリポビタンシリーズというのは心細い。

パブロンは過去20年で毎年250億円売れているので今後も売上が期待できるが逆に言えば売上は今後も伸びない。

骨粗しょう症治療薬エディロールは2011年に発売された薬でまだジェネリック医薬品が無く売上が期待できる。基本的に骨粗しょう症治療薬というのはずっと服用する売上も安定する。

育毛剤リアップは150億円規模の売上だが同成分のライバル薬が発売された影響が気になる。どれだけリアップファンがいるか。

ビオフェルミンは10年前より売上が2倍近く伸びており年100億円の売上。

 

 

 


独り言


 

大正製薬の売上はここ20年間停滞している。

年3000億円に届きそうで届かない、大きく成長するためには医療用医薬品でアタリを引く必要があるが今のところ年1000億円を超えそうな薬は見当たらない。

 

だが大正製薬はどこかの巨大製薬会社とは違い借金が嫌い、手元にある現金は2000億円、2018年度の自己資本比率は97%。身の丈に合わない買収や株主に無理して高配当を支払う事もない堅実経営。

 

相場全体が下がった時に仕込めばいつか株価は回復する。長期投資よりタイミング投資がいいかもしれない。

 

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